教育の情報化


「教育の情報化」とは
 インターネットがグローバルな情報通信基盤となり,経済社会に変革をもたらしているとともに,パソコンや携帯電話などが広く個人にも普及し,誰もが情報の受け手だけでなく送り手としての役割も担うようになり,日常生活も大きく変化しています。
 
 このように経済・社会,生活・文化のあらゆる場面で情報化が進展する中で,大量の情報の中から取捨選択をしたり,情報の表現やコミュニケーションの効果的な手段としてコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用する能力が求められるようになっています。同時に,ネットワーク上の有害情報や悪意のある情報発信など情報化の影の部分への対応が喫緊に求められており,このような状況の中で,情報や情報手段を適切に活用できる能力がすべての国民に必要とされるようになっています。
 
 さらに,その上で,情報手段を効果的に活用して,多様な情報を結び付けたり,情報を共有するなどして協同的に作業したりすることで,新たな知識や情報などの創造・発信や問題の解決につなげていくといった,情報社会の進展に主体的に対応できる能力が求められている。
 
 教育の情報化とは,昨今の教員の事務負担の軽減等の観点も含め,次の三つから構成され,これらを通して教育の質の向上を目指すものです。
 
 
1 情報教育 〜子どもたちの情報活用能力の育成〜
 各教科や総合的な学習の時間などにおいてコンピュータやインターネットなどを積極的に活用し,児童生徒の情報活用能力の育成を図ることを目的とした教育のことです。
2 教科指導におけるICT活用 〜各教科等の目標を達成するための効果的なICTの活用〜
 学習指導要領に示されている教科や科目等の目標を達成すために授業の中でICTを活用することです。
 ICT機器には,コンピュータやプロジェクタ及びデジタルカメラや教材提示装 などの機器があり,分かる授業を実現するには,授業の中で教育用のデジタルコン ンツを提示したり,インターネットを利用した学習活動を行ったりすることが大切となります。
3 校務の情報化 〜教員の事務負担の軽減と子どもと向き合う時間の確保〜
 校務においてコンピュータなどのICTを活用し,効率的に処理を行うことです。

 その実現においては,教員のICT活用指導力の向上(研修等)及び学校におけるICT環境整備が必要であるとともに,教育の情報化を推進するための教育委員会や学校におけるサポート体制の整備が極めて重要です。
教育の情報化の概念図  図は,教育の情報化の概念を示したものです。「情報教育」,「ICT活用」,「校務の情報化」の三つの要素を含むもので,それぞれが独立したものではなく,各要素が相乗的な効果を発揮するものです。
 このことからも,教育の情報化の目的は,児童生徒の情報活用能力の育成,すなわち,体系的な情報教育の推進に加え,各教科等の目標を達成する際に,効果的に「ICT」を活用することを含むものです。

    (平成21年3月 「教育の情報化に関する手引」文部科学省より)

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