高いところにある物体のエネルギーを調べよう
  1 おもりの重さを二倍にすれば二倍縮むのかな?

条件を変えて同じ実験を続ける。
  2 なぜスポンジを置いても同じなのだろう?

 スポンジがあっても落下する距離は同じなので,球の失う位置エネルギーは同じであることを説明する。
 (わずかにスポンジに弾性エネルギーとして蓄えられるが,ほとんどは注射器のシリンダーを押す仕事に費やされる。)
  3 同じ高さから落としても,斜面をころがしても,振り子で当ててもエネルギーは同じなのだろうか?

1 斜面を滑らせる場合
 斜面を利用してディスポーザブル注射器の上におもりを落として,ピストンの縮む距離から物体のもつエネルギーを測ってみる。球のもつ位置エネルギーは摩擦により失われる。できるだけ摩擦のない状況で実験することが大切である。
 下記の実験では摩擦で失われた仕事の分だけ注射器を押す仕事は減る。(仕事=力×距離で,力は変わらないが距離が短くなる。)
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◎ 物体のもつエネルギー
【準備】
ディスポーザブル注射器(20ml),おもり(球形),たこ糸,鉄製スタンド,ボール紙,定規
とい(塩化ビニールパイプを二つに縦割りしたもの。長さ50cm程度)
【実験】
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● 筒の直径はおもりの球の直径より1cmほど大きくし,長さは10cm,20cm,30cmの三種類作る。
● ピストンを押すときの力は一定だろうか。
バネばかりで,ゆっくり押してみよう。又は,手で押してみよう。
● スタンドに注射器をとりつけよう。
注射器を,ネジを使って止めると変形するので,ゆるく差し込む。ピストンを一番上の目盛りまで引き上げておく。
● 高さを変えて落としてみよう。
ピストンの移動した距離と高さとはどんな関係があるだろう。ピストンの縮んだ距離を定規で測ってみよう。
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2 振り子で測定する場合
 この場合は失われるエネルギーは空気の抵抗力による程度であり,真上から落とす場合と差はない。
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◎ 物体のもつエネルギー(振り子)
【準備】
ディスポーザル注射器(20ml),おもり(球形),糸,鉄製スタンド(2台)
ボール紙,定規
● 振り子をつくろう。
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● 高さを変えて落としてみよう。
ピストンの移動した距離と高さとはどんな関係があるのだろうか。
ピストンの縮んだ距離を定規で測ってみる。
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● 「高いところにある物体のエネルギーを調べよう」で作った表と比べてみる。
 4 注射器に当たるときの速さはどうなるのかな?
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◎ 速さの測定
「高いところにある物体のエネルギーを調べよう」の実験について注射器に当たるときの速さを比較してみる。
【準備】
記録タイマー,クレヨン,ビデオテープ(捨ててよいもの),円切りカッター
とい(テープを乗せる台。塩ビパイプを縦に切ったものがよい。)
【記録タイマーの設定】
・ 紙テープの代わりにビデオテープを切って使う。
・ カーボン紙の代わりにコピー紙に白いクレヨンをぬり,円切りカッターでカーボン紙と同じ大きさに切る。
【実験】
 おもりが当たったときの,テープの打点間の距離を測る。
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* おもりが当たったときに記録タイマーの位置にテープの端が来るようにする。そうしないと当たった時の打点の位置が判断しにくい。
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表にまとめてみる。
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