モーターを作ってみよう 育てたい資質や能力 1 モーターの性能を上げる工夫をすることで,様々に試行錯誤しながら問題を解決する資質や能力を育てる。 2 条件を制御ながら,一つ一つの影響を考慮することにより,全体としてどのように影響しあうかという見方や考え方を育てる。 学習のポイントと配慮事項 1 磁石の位置と整流子の角度の違いにより回転するときと回転しないときがある。 どこで電流の向きが変わればよいか考えさせてみる。 2 磁石を2個使うとすればどのように使えばよいか,その理由は何か考えさせてみる。 磁力線の様子を考えさせてみる。「いろいろな磁界の様子を調べよう」で観察させてもよい。 3 整流子に接触させるブラシは0.5mm程度のホルマル線で作成する。 下から1.0cmあたりで4〜5回バネ状に巻いて弾力をもたせ,モーターの回転で整流子がぶれても軽く接触するようにする。 4 ブラシは前後左右に動かないように接着剤で固定する。 固定してないとトラブルの元になるので注意する。 5 はんだ付けは銅テープの端にして,ブラシが接触しないようにする。 生徒ができないようなら教師がしてもよい。 6 パイプとアルミ棒の間は接着せずにねじって角度を調節できるようにしておく。 ![]() 7 整流子のつくりや,整流子とブラシの接触が悪いと電流が流れないのでモーターが回らない原因になることが多い。 理論的な背景 1 電流が磁界から受ける力 磁界B(N/Am)の中の電流が受ける力の大きさは,電流の強さに比例する。 磁界に垂直な導線にI(A)の電流を流したとき,磁界の中のL(m)の部分が受ける力の大きさF(N)は F=BIL となる。 ![]() 一様な磁界Bの中で磁界に垂直な軸OO’のまわりに回転できる長方形のコイルPQRSに電流を流すとフレミングの左手の法則から,PQの部分には紙面の上から下の向きに,RSの部分には紙面の下から上の向きに力が働く。 この二つの力は大きさがIBaで等しく逆向きであるが,作用線がbsinθずれていているので,磁気力のモーメントはBIabsinθ(偶力)となって,コイルの面が磁界と垂直になるような向きに回転する。 さらにコイルの面積をS(S=ab)とするとコイルの受ける磁気力のモーメントは N=BISsinθ となる。 磁気力のモーメントは電流の大きさと,磁界の強さとコイルの断面積に比例する。 ![]() |