ヒントカードへの対応[携帯用カイロがあたたかくなるのはなぜ]
  1 封を開けないと,暖かくならないのはなぜかな?

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◎ 封を開けないと,暖かくならないのはなぜか
@ 2本の500mlペットボトルにそれぞれ携帯用カイロの内容物を入れる。
A 1本はそのままふたをし,残りの1本に酸素を入れふたをする。
 ペットボトル内に水滴がつく様子が観察される。
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B そのままの状態で容器の様子を観察する。
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 3分後,ペットボトルが内側にへこんでくる様子が観察される。
 5分後,酸素を吹き込んだ方のペットボトルは大きく変形し倒れた。
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携帯用カイロの内容物が酸素と反応していることが分かる。
C 酸素を吹き込んだときのカイロの温度を測るため,200mlのペットボトルに内容物を入れ酸素を吹き込み,ラップで軽く栓をし温度計を差し込んで温度変化を調べる。
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  2 携帯用カイロの中には何が入っているのかな!

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◎ 携帯用カイロの中身を調べる
 品名 使い捨てカイロ
 原材料名 鉄粉,水,木炭,活性炭,バーミキュライト,食塩
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 ※バーミキュライト
  ひる石(主成分はケイ素)を高熱で焼いて作成した人工土。
  多孔質,保水・通気に優れている。
  栽培用土として利用する。
  カイロの成分
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 カイロの中のどの成分が熱を出しているのだろう?
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◎ どの成分が熱を出しているのか
 携帯用カイロの原材料を調べて,鉄粉,水,木炭,活性炭,バーミキュライト,食塩を準備する。
 この中のどの成分が熱を出しているのかを調べるには,消去法で調べるとよい。
 例えば,鉄粉,水,木炭,活性炭,バーミキュライト,食塩のうち,まず鉄粉だけを除いた混合物で温度変化を調べる。
 次に,水だけを除いた混合物で温度変化を調べる。このようにして,一つずつ除いた混合物を調べることにより,どの成分が発熱に関係しているかを探ることができる。
 内袋の働きを調べる。
 内袋を切らないときは,42〜43℃まで温度が上昇し,長時間持続する。
 しかし,内袋の封を切った場合は,60℃近くまで温度が上昇し,短時間で反応が終わる。
 温度が上昇しすぎないように適度な温度を保ちながら長時間反応を持続させるために,酸素量を調整する内袋に工夫が施されていることが分かる。
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◎ 空気中の酸素量を調べよう!
@ ペットボトル大の底を切り捨て,反応槽とする。
A ペットボトル小の底を,皿とする。
B 水槽に水を入れ,カイロの内容物をのせた皿を浮かべる。
C ふたをはずした反応槽を皿にかぶせる。
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       反応槽
D ふたをして最初の水位に印を付ける
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E 反応終了後の水位に印を付ける。
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F 反応槽を取り出し逆さにして,反応前の印まで水を入れ,水量をメスシリンダーで測る。(反応前の空気量)
次に同様に反応後の印まで入れた水量を測る。(反応後の空気量)
反応した酸素量=反応前の空気量−反応後の空気量
空気中の酸素の体積割合(%)=反応した酸素量÷空気量
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測定値
反応した酸素量=反応前の空気量−反応後の空気量
       =1045−840=205(ml)
空気中の酸素の体積割合(%)=反応した酸素量÷反応前の空気量×100
              =205÷1045×100
              =19.6(%)
空気中には酸素が約20%含まれている。この実験装置を用いて空気中の酸素量を測定できる。