バターをつくろう
  育てたい資質や能力

タンパク質は,熱や酸などによって変性するので,そのことを使っていろいろな製品が作られているという見方や考え方を育てる。
  学習のポイントと配慮事項

1 生クリームは動物性で乳脂肪45%のものを使う。
2 ペットボトルはよく洗って清潔なものを使う。
  理論的な背景

1 牛乳
画像
 無脂乳固形分(牛乳は約88%が水分で,あとの乳固形分から乳脂肪分だけを差し引いた固形分)8.0%以上および乳脂肪分3.0%以上の成分を含有するもの。
2 タンパク質の性質[変性]
 タンパク質に熱,強酸,強塩基,重金属イオンなどを加えると,凝固する。これを変性という。一度変性してしまうと元の状態に戻すことは困難である。これは,外部から刺激を受けることで立体構造を支えている水素結合が切れることによる。水素結合は共有結合に比べてはるかに弱い結合である。
3 牛乳からできるもの
 牛乳からできる食品を乳製品といい,チーズ・バター・ヨーグルト・生クリームなどがある。
 (1) 生クリーム:脂肪球を砕いていない牛乳を放って置くと,上の方に脂肪分の多い層ができる。その脂肪分の多い層だけを取ったものが生クリーム。
 (2) バター
 生クリームを作っている脂肪球はタンパク質の膜に包まれている。激しく振ることにより,この膜が破れ,脂肪球どうしがくっついてバターになる。脂肪球の色は黄色なのでバターのような大きな固まりになると黄色に見える。
 市販の牛乳は乳脂肪が均一化されているので,いくら振っても脂肪は浮いてこない。また,市販のバターは,保存性を高めるために1〜2%の食塩を加えてある。
 マーガリンは,植物の油(大豆やコーン油)を原料として,脂肪分を固めて作る。
4 脂肪球
 牛乳を水で薄めて顕微鏡で観察すれば小さな粒々が動いているの(ブラウン運動)が見える。これが脂肪球である
画像