水の環境調査をしよう
 水の汚染の原因は,微生物,化学物質,産業その他の廃棄物,生活排水などいろいろなものがあげられます。その中でも,生活排水などによる有機物の増加は,水中の酸素を大量に使い,本来の使用に適さない水に変えてしまいます。ここでは,まず,そういった水の調査の仕方を学校で学び,実際の自然に出て,自分の周りの環境はどうなっているか調べよう。
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温度計,pH試験紙(万能試験紙),パックテスト(COD,BOD,窒素酸化物)
透明アクリルパイプ(φ20mm,1m),フィルムケース
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『水の透明度などを調べよう』
☆ 学校内のいろいろな場所に行き,水を汲んで調べる。
<調べること>
【水のにおい】 水が汚れてくると微生物が増加しアンモニア臭など特別な異臭を出すようになる。異臭が出るときには,かなり汚染が進行している。
【泡立ち】  水が汚れてくると水の粘性が増し,泡立つようになる。穏やかな水面に泡がある場合にはかなり汚染が進行している。
【色】   水の色は,本来無色透明である。それが周りの環境の色ではなく,濃い緑や黒ずんだ色に変化しているときにはかなり水が汚れている。水の色は,周りの色を映し出す場合が多いので水の透明度で調べる方法が有効である。
【透視度】基準を決めた線が見えるかどうかで判断する。見えなくなった時の深さと見えるようになったときの深さの平均値で決める。
※ 基準例 0.3mmの黒いペンで1mm間隔に2本線を引きそれをクロスさせる。
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その2本線が分かれて見えるかどうかで判断する。
実際には,基準線を引くことが難しいので,フィルムケースのふたを利用し,中央の突起部分に黒マジックで色を付け,その円が見えるかで調べさせるとよい。その際に,透明アクリルパイプにフィルムケースのふたをゴム系の接着剤で接着するとよい。
アクリルパイプに水を入れていき,上から覗き,黒い○が見えるかで判定する。
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鹿児島の場合,かなり水の透視度は高いので,長さ1mのアクリルパイプを利用する。
【水温】 水に浸けてから5分以上待ち,温度変化が起きなくなってから調べる。有機物の分解の際に熱を発し,水温が上がることが考えられる。
【pH】 pH試験紙にて測定する。液の付いたところと乾燥しているところの境界線で調べる。
【パックテスト CODなど】 パックテストに書かれている手順書のとおりに行う。
自作パックテスト(COD)の場合は,下記の要領で調べる。
《自作パックテストの作り方は先生に聞くか,先生に作ってもらいましょう》
<自作パックテストの使い方>
@ 試薬を1gフイルムケースに入れる。
A 調査する水をフィルムケースの半量まで入れる。
B フィルムケースにふたをして,よく混ぜる。
C 5分後の色を色見本と比較してCOD値を決定する。
D 廃液は,ペットボトルに集める。
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※ パックテスト … 水中に有機物がいくらあるかなどを調べる場合には複雑な実験を必要とするが,それを簡便にできるようにした持ち運び用の検査薬
※ BOD(生物化学的酸素要求量)
  … 水中の有機物を生物の働きによって分解するときに必要とする酸素量
※ COD(化学的酸素要求量)
  … 水中の有機物を酸化剤で分解したときに必要とする酸素量
※ NOx(窒素酸化物濃度)
  … 水中の窒素酸化物濃度であり,生物等の排泄物等から出てくる。
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