空気の汚れ具合を調べよう
  育てたい資質や能力

1 自然のもつ浄化能力を越えて自然にストレスをかけ続けた場合には,環境が破壊し浄化能力もなくなるという見方や考え方をそだてる。
2 植物が二酸化炭素を使い酸素を作るなど,環境を浄化する作用をもっていることを理解するという見方や考え方をそだてる。
  学習のポイントと配慮事項

1 気体検知器と粉塵捕集装置を自作し,自由に調べることができるようにする。
2 調査結果を地図上に示し,空気の汚れと緑の量や自動車の通行量の関係を調べる。
  理論的な背景

1 空気の汚れの原因
 空気の汚れは,工場の煙突から出る煙,自動車等の排気ガスなどが原因となる。その中でも問題となるのは,窒素酸化物や,硫黄酸化物,二酸化炭素などである。
 ここでは,生徒が調べやすい二酸化炭素や酸素に絞って調べる。
 ・ 二酸化炭素の増加は,温室効果ガスとして,地球の温暖化に影響していると考えられている。
 しかし,二酸化炭素がないと植物は光合成ができなくなることを考慮すると,すべてなくすということは問題である。
 ・ 二酸化炭素の増加による問題点として次のようなことがあげられている。
  ○ 平均気温 2025年には約1℃,21世紀末には約3℃の上昇
  ○ 海  面 2030年には約20cm,21世紀末には約65cmの上昇
  (気候変動に関する政府間パネルによる)
 ・ 窒素酸化物や硫黄酸化物は空気中の水と結合し,硝酸や硫酸となり酸性雨の原因となる。
 ・ 鹿児島市内の調査結果では次の数値が出ている。 H7 12月 センター調査(数字は%)
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2 自作気体検知器(真空ポンプ)による測定
 <作り方>
 @ 注射器の先に,直径2mmほどの穴をあける。
 A 穴を外側からビニルテープで塞ぐように付ける。
 (ピストンを押したときの空気の出口となる。)
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 B 注射器の出口の穴に,内側から穴を塞(ふさ)ぐようにビニルテープを付ける。
 C 注射針を付けるところにゴム管を取り付ける。
 <使い方>
 @ ゴム管に気体検知管を,向きを間違えないように取り付ける。この際に,気体検知管の両端を折り,空気の出入りができるようにする。
 A 指定された容量を,指定された時間で吸引する。
 ※ 粉塵収集器はこの先にろ紙を付けたロートなどを付け,空気を吸い込む。
 ※ 松の葉の気孔は縦に並んでいる。カッターナイフで薄くスライスすると顕微鏡で粉塵等によるつまり具合が分かる。