ヒントカードへの対応[植物の葉はどのように付いているか]
  1 葉の付き方にはどんな規則性があるのかな。いろいろな植物で調べてみよう?

 葉は自分のからだの成分をつくり出す(光合成)ために光を必要とする。光は茎の上から注ぐので,葉はあまり重ならないように最大限光を利用する位置につくことになる。葉の付く順序は植物の種類によって違い,葉のつく間隔も葉の大きさによって異なる。
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◎ どんな規則性があるか
 まっすぐ伸びた茎や幹に対して複数の葉がどのような位置で付いているかを調べる。そして以下の三つのパターンに分類される。
 @ 輪生
  ・ 各節に3枚以上の葉がつく。1節に3枚であれば3輪生。6枚であれば6輪生
  例 オオカナダモ,クロモ,アカネ,ヤエムグラ,ツリガネニンジン,サイヨウシャジン
 A 対生
  ・ 各節に2枚の葉が向きあってつく。
  例 アオキ,マサキ,ヘクソカズラ,ハコベ,ノミノフスマ,ノミノツヅリ,キンモクセイ,ギンモクセイ
 B 互生
  ・ 各節に1枚ずつ葉がつく。
  例 アカマツ,クロマツ,セイタカアワダチソウ,オオアレチノギク,キク,ジャガイモ
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 いろいろな植物で調べてみると面白い。
 ・ 水中植物はどれが多いか。
 ・ 樹木で多いのはどちらか。
 ・ つる植物ではどうか。
 規則性あるいは傾向があるか分類してみる。
  2 なぜ,植物は葉を規則正しく付けることができるのかな?

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◎ 開度あるいは葉序(葉の付く順序)を調べる。
 

 茎の周囲に付く葉の角度は葉の大きさによって効率のよい角度になっている。この角度をあらわすのに開度(葉序)という考え方を用いると便利である。
 葉序は,茎につく葉の順序のことで開度とは,葉が開出するとき前の葉に対して何度の角度になってが垂直方向に重なるまでに,何枚つき(分母),それまでに何回転するか(分子)ということで分数であらわす(右図)。
 そこで,葉のつき方のそれぞれの性質は下のように表すことができる。
 @ 輪生  3輪生 0/3,6輪生 0/6
 A 対生    0/2
 B 互生   1/2,1/3,2/5,3/8,5/13,8/21,13/34
  3 芽の付き方も葉と同じように規則性があるのかな?

ジャガイモの,イモの芽の出方と,茎の芽の出方に付いて調べる。
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◎ 芽の出方と,茎の芽の出方を調べる。
 葉は芽から出るものなので,葉に規則性があるということは芽の出方に規則性があることでもある。
 例えば,地下茎が変化したジャガイモのイモは茎の性質をもち,芽が出るときは葉の付き方と同じになる。
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 ジャガイモでツルの付いていた部分を中心にして芽の出方をみる。ジャガイモで芽の出るところは窪んだところであるので,くぼみにつるの付いているほうから番号をつけてみる。その後番号の順に線で結んでみる。数字が直線上に並んでみえるところをさがす。
 そうすると,(1,6,11)(2,7)(3,8)(4,9)(5,10)が中心に向かって並んでいることに気付く。
  4 葉のつき方と葉の広がり方は同じだろうか?

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◎ 葉のつき方と広がり方を調べる。
 対生であるマサキやカエデで,葉のつき方と広がり方を調べる。結果は次のようになる。
 ・ カエデの葉は対生でありまっすぐ伸びた枝や茎では十字に葉が付く。
 ・ 横にはった枝に付いた葉の付け根では中心部と同じように十字にでているが,葉は光を集められるように水平方向に広げている。
 ・ 遺伝的には単純な同じ開度の繰り返しで,2段目の同じところに重なりが出てくるが,環境に合わして,光がよく当たる方向に葉柄の角度を少しずつ変えて重ならないような工夫をしている。また,横に張ったところでは葉柄の角度と長さで調節してほぼ同じ高さに並ぶようにしている。
  5 森では,樹木の葉はどんなふうに付いているかな?

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◎ 樹木の葉の付き方
一本の樹木に注目し,葉の付いている部分をスケッチする。次のようなことが分かる。
 森の中に入ってみると木の葉は上の方にだけ付いていることに気付く。
 特に上層の枝ではわずかに葉は1〜2段しか付いていない。ところが下層にはえる植物の葉では5から8段付いていることもある。
 森の中では下に行くほど暗くなる。上層では光が強く,光合成もたくさん行っている。そのため,葉で光合成を行う部分も分厚い。
 このため,上層の葉では呼吸量も多い。もし,この厚い葉の上に他の葉がかぶってしまうと,葉では自分の呼吸量に比較して光合成量が少なくなる。
 このため葉を落としてコスト以下の葉を整理する。そのため明るい上層にだけ葉が付いている。