ヒントカードへの対応[土の中にはどんな生き物がいるか調べてみよう]
  1 小さな虫を捕るにはどうしたらよいかのかな?

自作のツルグレン装置を作り,土壌動物を採集させる。そのとき,なぜ,ツルグレン装置で土壌中の生物を集められるか考えさせる。(暑くて乾燥する環境をつくり土壌から動物を追い出す。)
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ペットボトルを使った簡易ツルグレン装置の作製
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【準備】
ペットボトル(2本)・・・・・お茶用によく使われる先端の傾斜が急なもの
黒色ガムテープ(1巻)・・・・黒色ビニールテープでも可,幅が広い方が作業がしやすい。
金網(1)・・・・・・・間隔が5mm程度のもの,40〜60W白熱球スタンド(自作でよい)
ビーカー100ml, 黒色用紙(1枚),のり,セロテープ,金切りのこ,金切りばさみ,カッターナイフ,はさみ,油性ペン
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ツルグレン装置を使って土壌動物を捕まえよう。
【準備】
ア 服  装  動きやすく汚れてもかまわない服(ジャージ),軍手等
イ 使用器具 
バット(プラスチック製の浅い容器)[1],移植ゴテ[1]
ピンセット[2〜3],ルーペ[2〜3],ペトリ皿[2〜3]
吸虫管[2〜3],ビーカー[1],水[少量],白い布
筆記用具,紙ばさみ[2],70%エタノール[50ml]
簡易ツルグレン装置[1]
【調査方法】
@ 土壌を採集する場所をよく観察し,気づいたことをメモする。人が踏んでいない地面の土を,移植ゴテでバットに採る。土の深さは10cm以内とし,表面の落ち葉や枯れ枝も一緒に採る。
 たくさん取り過ぎると動物を探すのが難しくなるので,バットに半分程度採る。
A 枯れ枝や落ち葉をよく調べて付いている虫をさがす。
 次にピンセットや移植ゴテでバットの土を少しずつかき分けながら動いている虫を見付け,ピンセットでつまんで取る。動物ははじめじっとしているが,やがてゴソゴソ動き回るようになる。
 動きの素早いものは,動く方向を見定め,体の柔らかいものはそっと捕まえる。
 トビムシ等は吸虫管,黒い紙の上で採集するとよい。動物の体の特徴,動き等気づいたことをメモする。
B あらかじめ水を入れたペトリ皿を二つ準備しておく。
 捕まえた動物は,ペトリ皿に入れた水でよく洗い,もう一方の水を入れたペトリ皿に入れて逃げ出さないようにふたをする。
C バットの土を持ち帰り,実験室で簡易ツルグレン装置のふるいの中にそっと入れる。
 そのとき落下してくる土壌動物を受けとるビーカーには70%エタノールを入れておく。
 電灯をつけ1時間ほど放置する。そのとき白熱球をサンプルの土に近づけすぎない。
 発熱のため,発火することがあるので十分に注意する。
C 下の容器に落ちてきた動物をペトリ皿に移して観察に用いる。
D 実体顕微鏡を使って(虫眼鏡,ルーペでも可)観察してみる。
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  2 土の中にすむ生き物の種類と数は環境によって違いがあるのだろうか?

 水田や畑,畑,竹林,落葉樹林(エノキ林,コナラ林),常緑樹林(スダジイ林)内などいろいろな場所で,土壌を採り,ツルグレン装置を使って土壌動物を抽出し,種類と個体数を調べる。
 環境が豊かになれば生物相は豊かになることが分かる。このことを利用して環境のゆたかさをはかることができる。(理論的な背景)
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