ヒントカードへの対応[気象観測の道具を自作しよう]
  1 正確に測定するにはどうすればよいだろうか?

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◎ 機器の補正
1 目盛の器差を補正する。《湿度計》
 棒温度計の目盛はそれぞれにわずかながら違いがあり,比較する際にはその差(器差)を補正する必要がある。
(1) 氷が溶けかかった水(0℃)に2本の棒温度計を同時につけて示度を読む。
  例)温度計A 0.5℃,温度計B -0.2℃
(2) 目盛の間隔は等しいと仮定すると,
  例では,温度計Aが測る温度=示度−0.5℃, 温度計Bが測る温度=示度+0.2℃となる。
2 温度計に一定の速さの風をあてる。《湿度計》
 2本の温度計に弱い扇風機の風をあてて目盛をよむ。
 湿球のまわりの風が変化すると蒸発量も変化して,湿度が同じでも湿度の示度は安定せず,よい測定ができない。
 乾湿計に一定の速さの風をあてる装置をつけた通風乾湿計では精度のよい測定ができ,世界気象機関(WMO)で定めた標準的な湿度計はこの型のものである。
3 別の気圧計で補正をする。《気圧計》
(1) 水銀気圧計やアネロイド気圧計など,べつの方法で気圧をはかり,気温とともに記録する。
(2) 数日かけて記録をとり,目盛と気圧との関係を表にする。
4 気温の補正をする。
a ウェザーグラスの下半分を氷水(0℃)に浸して5分ぐらいしてから目盛を読む。
b ウェザーグラスの下半分を恒温槽に浸して測定を行う。
 ウェザーグラスは手で触れただけで液面が上昇するほど,温度に敏感である。
  2 別の方法で測定することはできないだろうか

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◎ 毛髪湿度計
  毛髪の長さが相対湿度につれて変化する性質を利用したものである。
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(1) 長さ30cm程度の毛髪を1本,おもりをつけてぶら下げる。
  上図では感度を上げるために,長い毛髪を折り曲げてぶら下げている。
(2) 毛髪を細い針金に結び付ける。
(3) 針金は支点をはさんで定規を指すようにする。
   湿度によって針金の示度が上下する。
   湯気が立ちこめた浴室などで測定した値を100%とする。