金星の満ち欠けを再現しよう
  育てたい資質や能力

1 金星の観察を通して,月と同じように,惑星や衛星の見え方が異なるのは,太陽,惑星と地球の位置関係によるという見方や考え方を育てる。
2 モデル操作を通して,金星の軌道上の位置とみかけの形を関連付けて考察する力を養う。
  学習のポイントと配慮事項

1 モデルをつくるときに金星の軌道半径を太陽−地球(カメラ)間の0.7倍になるようにする。
2 カメラのズームを多用せず,太陽と金星の位置関係を常に考えさせるようにする。
3 金星モデルの白い面が常に太陽の方向を向くようにする。
  理論的な背景

 金星は地球から見える天体としては月についで明るく,最大−4.6等の明るさになる。
 金星は,地球からみた最大離角が46度から47度なので夕方や明け方の限られた時間にしか見ることができない。
 また,軌道半径0.72天文単位である。
 金星の赤道半径6052qは地球(6375km)より少し小さいくらいで,地球の兄弟星といえる。
 しかし,自転周期が243日と公転周期(224.7日)より長く,さらに自転と公転の向きが逆になっている特異な惑星でもある。
 1983年に旧ソ連の探査機の観測により,表面温度が470℃で,大気は大部分が二酸化炭素で90気圧におよぶことが分かった。
 1990年にはアメリカの探査機マゼランのレーダー探査により表面の地形の様子の詳細な地図が作られ,火山や地殻変動の形跡も見つかっている。