酵素ペプシンによる消化 目的 タンパク質がペプシンによって分解することを確かめる。 準備 500ml試験管(10本),試験管立て(1個),1mLピペット(3本,塩酸・酵素・基質用),ビーカー(1個),ガスバーナー(1),金網(1),三脚各(1),3.5%塩酸(濃塩酸を10倍3.5にうすめたもの),10%水酸化ナトリウム液,1%硫酸銅液,20mLメスシリンダー(1本),上皿てんびん,ペプトン,スキムミルク(脱脂乳),精製ペプシン 実験法 予備実験A @ 胃液のモデルを作る,ペプシンの0.1%溶液と,0.35%塩酸(3.5%塩酸をうすめて作る)を20mlずつ作り,別々の試験管に入れる。次に,スキムミルクの5%液20mLを作る。 A スキムミルクにタンパク質が入っていることを確かめる。試験管に3mLのスキムミルク液(以下,基質と呼ぶ)をとり,水酸化ナトリウムを3〜4滴加える。これを軽く混ぜてから,硫酸銅液2滴を加えてよく振って反応をみる(ビウレット反応。試験管は試験管立てに立てておく。) B 胃液によってタンパク質は分解されてペプトンになるので, ペプトンの反応を確かめておく。 耳かき1ぱいぐらいのペプトンを試験管にとり,水3mLを加えてよく溶かす。 次に,Aと同じ要領で,水酸化ナトリウムと硫酸銅を加える。Aの結果とBの結果の違いを記録する。 ![]() 本実験B C 2本の試験管A・Bをとり,Aにはペプシン液1mL,0.35%塩酸を入れる。Bには水と1mLと0.35%塩酸1mLを入れる。 D AとBにそれぞれ基質を1mLずつ入れて軽く混合する。もしそのとき変化が起こったら,それを記録しておくこと。 E ビーカーに水を半分ほど入れ,バーナーで35〜40℃に温める。この中に試験管AとBを入れ,5〜10分間放置する。 F AとBを,ビーカーからとり出し,Aの方法でビウレット反応を試み,その結果を記録する。 ![]() 発展実験C 胃液は酸性であるがペプシンが働く上でこのことは必要なのかを調べてみる。 @ 試験管4本(A〜D)を用意し,Aには3.5%の,Bには0.35%の,Cには0.035%の塩酸を,そしてDには水をそれぞれ1mLずつ入れる。 A A〜Dのそれぞれに,基質を1mLずつ入れ,軽く混合してから,35〜40℃で5〜10分反応させる。 B それぞれについて,ビウレット反応を試みる。ただしAについては,水酸化ナトリウムの量を他の試験管の4倍以上にする。 主なタンパク質の検出法 1 ビュレット反応 NaOH水溶液を加えCuSO4を加える。 → 赤紫色 ペプチド結合に反応 (タンパク質,アミノ酸) 2 ニンヒドリン反応 ニンヒドリン溶液を加える → 青〜赤紫 アミノ酸の検出 3 キサントプロテイン反応 @ 濃硝酸を加え,加熱する。 → 黄色 ニトロ化 A その後アンモニア水を加える → 橙赤色 |