森林の階層構造
 自然林はたくさんの種類の植物からなり,また,同種類の大量の植物からなり,限られた光エネルギーを有効に利用している競争社会である。
 降水量の豊かな日本では自然林は「森の親玉」であるよく伸びる樹木からなる。
 高木層(10〜30m)が帽子をかぶったように林冠を作り,地上部が4〜5層からなる階層構造になる。高木層の間からぬけた木漏れ陽を吸収して成長する植物が集団を作っているのが高木層の下続く亜高木層である。さらにその木漏れ陽を低い木の層である低木層の植物が利し,さらにその木漏れ日をシダ植物などの草本を中心とした草本層の植物が利用する。森の地表面を林床いうが林冠の光と林床の光を比較すると1000分の1程度の明るさである。
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 一方, 特定の種類の樹木を生産する人工林は,効率よく植裁した特定の樹種のみを成長させるため,手入れの行き届いた植林地では高木層と草本層のみの2層構造になりがちである。
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 森林の断面をスケッチして自然林の階層構造を記録してみよう。
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