1 研究に取り組んだ観察,実験(6 エネルギー)


 1分野上 実験1 高い位置にある小球がもっているエネルギーを調べよう



2 観察,実験のねらい
 いろいろな質量の小球をいろいろな高さから転がして木片にぶつけ,小球の質量や高さと小球のもつエネルギーとの関係を理解させる。


3 観察,実験の実際
 図1のような装置を用いて実験する。
@ 同じ小球を,いろいろな高さから転がして木片に当て,木片が動く距離を測定する。
A 質量の違う小球を,同じ高さから転がして木片に当て,木片が動く距離を測定する。
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4 問題点
(1) レールと木片との摩擦力が均一でなく,木片の移動距離が小球の質量や高さに比例しない。
(2) レールの固定方法が不安定で,正確な実験がやりにくい。
(3) レールの素材によっては,なめらかな曲線になるように曲げられない。


5 観察,実験のポイント,新たに開発した教材教具
(1) 観察,実験のポイント
ア より簡便な方法で教具を作製できるようにする。
イ 小球を衝突させる物体として,電気コードカバーの台を切り取ったものを使い,摩擦力が一定になるようにする。
ウ レールに電気コードカバーのふたを使い,曲げやすく固定しやすいようにする。
エ レールを固定する鉄製スタンドは,生徒にとって操作がしにくいので,ペットボトルを活用する。
(2) 新たに開発した教材教具
ア 材料
 電気コードカバー(幅15〜20mm),ペットボトル,接着剤,ベニヤ板,ビー玉
イ 作り方
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@ 電気コードカバーをふたと台の部分に分解し,ふたの先の部分をベニヤ板に接着剤で固定する。(写真1)
A ペットボトルに2か所穴を空け,電気コードカバーを通して,接着剤で固定する。(写真2)
B 一定の高さからビー玉を転がせるように,電気コードカバーに5pおきに印を付け,鉄製スタンドやフレキシブルスタンドで固定する。(写真1,2)
C 小球をぶつける物体(ピース)は,電気コードカバーの台の部分を約2p幅でカットしたものを使う。やすりで削って,摩擦を小さくしておく。(写真3)
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D 電気コードカバーの残りにメジャーを切ったものを張り付け,ピースが押し込まれた距離を測るスケールにする。
ウ 観察,実験の方法
@ ペットボトルの中に砂を入れて固定する。(手で固定してもよい。)
A 高さを変えてビー玉を落とし,ピースの移動距離を測る。(5回実験を行い,平均値を実験結果とする。)
(実験結果)
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B 同じ高さから質量の違うビー玉を落とし,ピースの移動距離を測る。(5回実験を行い,平均値を実験結果とする。)
(実験結果)
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              (南種子町立南種子中学校  鎌田 健司)