1 研究に取り組んだ観察,実験(6 エネルギー)


 第1分野下  いろいろなエネルギー



2 観察,実験のねらい
 エネルギーには運動エネルギー,位置エネルギー,電気,熱,光,音など様々なものがあることを知るとともに,エネルギーが相互に変換されること及びエネルギーは保存されることを理解させる。


3 問題点
 熱で物体を動かしたり,光電池を使って電流を取り出したりする実験を行うのが一般的であるが,装置が単純で生徒が創意工夫したり試行錯誤したりする余地が少ない。
 そこで,ものづくりをとりいれ,手回し発電機を使って楽しみながらエネルギーの変換を実感できるようにする必要がある。


4 観察,実験のポイント,新しく開発した教材教具


(1) 観察,実験のポイント
ア 生徒が簡単に作成できるおもちゃを作り,それによって簡単な遊びができる。
イ 安価で入手しやすい材料でおもちゃを作成できる。
ウ 一連の遊びの中で,エネルギーの移り変わりを実感できる。


(2) 新しく開発した教材教具
ア 材料
 手回し発電機      2個
 モーター        2個
 プラスチック段ボール  適量
 タイヤ         2個
 豆電球(ソケット付き) 1個
 ホットボンド
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イ 作り方
@ 段ボールプラスチックを写真のような形に切り取る。
A モーター,豆電球を写真2,写真3のようにプラスチック段ボールにホットボンドで固定する。
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B モーターの軸とタイヤの接合部分が密着するように,写真4のようにタイヤの穴にホットボンドを流し込んだ後に,モーターとタイヤを接合する(写真5)。
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D 手回し発電機とモーター,豆電球をつなぐ(写真6)。
※ 手回し発電機の回転方向とモーターの回転方向に気を付ける。
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イ 実証授業の成果と課題
(ア) 生徒の感想
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(イ) 成果と課題
 自動車作りを取り入れたことにより,生徒は興味・関心をもって学習に取り組んだ。生徒の感想の中に,「手回し発電機をたくさん回した割にはあまり進まなかった」というものもあり,エネルギーを実感し,その移り変わりを理解させることができたと考える。しかし,自動車を完成させることで満足してしまったり,その後の遊びに夢中になったりする生徒もおり,すべての生徒にねらいを達成させることはできなかった。どうすればエネルギー効率を上げることができるか等,遊び中にもいくつか工夫させる視点を与える必要があると感じた。


                         (財部町立財部中学校  稲本 健志)