1 研究に取り組んだ観察,実験(1 植物の世界) 第2分野上 観察2 葉のつくりを調べよう 観察3 根と茎のつくりを調べよう 2 観察,実験のねらい (観察2)葉の観察を行い,葉脈の様子や細胞の中に葉緑体があることなどを見いださせる。細胞の並び方の特徴をとらえさせる。 (観察3)いろいろな根や茎の観察を行い,維管束の並び方などのつくりの特徴を見いださせ,植物のからだのつくりと働きの関係をとらえるさせる。 3 観察,実験の実際 @ 観察する植物を採集する。 A 植物の葉や茎をピスにはさみ,カミソリで切り取る。 B 切片をプレパラートにして,顕微鏡で観察する。 4 問題点 (1) 植物の葉や茎を,顕微鏡での観察に十分な薄さにカットすることが容易にできない生徒が多い。そのため,準備に多くの時間を要し,観察の時間が十分にとれなくなってしまう。 (2) 生徒の意識が,植物のつくりを調べることより「植物の切片作り」に集中してしまい,観察のねらいが十分に達せられない場合が多い。 このようなことから,ピスを使用した方法よりも速く確実に植物の葉や茎の切片を作り方法を開発する必要がある。 5 観察,実験のポイント,改善した観察,実験 (1) 観察,実験のポイント 安全で短時間に顕微鏡観察に十分な植物の切片を生徒自身が作れるようにする。 (2) 改善した観察,実験 ア 材料 両面防振ゴム(写真1),大型洗濯ばさみ アクリル棒,ホットボンド ![]() イ 作り方 @ ホットボンドが両面防振ゴムに接着しにくいため,ゴムに切れ目を入れておく。 A 両面防振ゴムには様々な種類がある。両面防振ゴムの溝を利用し2枚で植物を挟み込むことを考えて,縁などに切れ込みを入れておくとよい場合がある。 B ホットボンドで両面防振ゴム2枚を大型洗濯ばさみに接着する。その際,両面防振ゴムの溝が2枚の内側で縦方向になるようにする。 ウ 使い方 @ 2枚の両面防振ゴムで植物を挟み込む(写真2) A 柄付きカミソリでマットからはみ出している部分を,両面防振ゴムの縁に沿ってカットする(写真3) ![]() B 両面防振ゴムに柄付きカミソリの刃を押し付け,飛び出した部分をカミソリを奥から手前にスライドさせて,薄くそぎ取る。 (3) 改善した観察,実験の検証 ア 教師による検証 茎の切片は容易に作ることができた。しかし,葉の切片を作るためには,何度かカミソリの刃をスライドさせ,できた数枚の切片から観察に適したものを選んで観察する必要があった。 ![]() ![]() イ 生徒による検証 (ア) 実験者 中学1年生 5人 (イ) 手順 @ 手順説明(約1分) A 切片作りとそれに要した時間の測定 一人2〜5回,茎の切片作りに挑戦した。切片の作製に要した平均時間は,約4分程度であった(写真4,5)。 ![]() B 生徒の作ったプレパラートによる観察結果 ![]() (出水市立荘中学校 吉本 成洋) | |