1 研究に取り組んだ観察,実験(4 化学変化と原子・分子)

 

    第1分野下 「物質はなにからできているか」(物質をつくる最小の単位はなにか)  

 

2 観察,実験のねらい

大単元「化学変化と原子・分子」では,化学変化における物質の変化や,その量的な関係を理解させるとともに,これらの事象を,原子・分子のモデルで説明できる微視的な見方や考え方を養う。

中単元「物質の変化」では,物質を分解する実験を行い,分解して生成した物質からもとの物質の成分が推定できることを見出すとともに,物質は原子・分子からできていることを理解し,原子は記号で表されることを知り,これらの事象を日常生活と関連付けて考察しようとする意欲と態度を養う。

「物質どうしの化学変化」では,2種類の物質を化合させる実験を行い,反応前とは異なる物質が生成することを見出すとともに,化学変化は原子・分子のモデルや化学反応式で表せることを理解し,考察することに関心を持ち,調べる力を養う。

このように,実験を通して決まりを見出させ,見えない部分へと思考を高めていかなければならないのだが,生徒は目に見えない部分を考えることが苦手である。そこで,原子・分子のモデルを考えるときに,生徒が考えやすいような,また実感できるような工夫ができないか,教材を工夫する研究を行った。

 

3 観察,実験の実際と問題点

教科書では,原子について説明をするさいに,銀の電子顕微鏡の写真や教科書や新聞などの印刷物の写真をルーペなどで観察させ,それらが点の集合であることから,物質のようすを説明することとなっているが,実験の結果や日常の物質とは結びつきにくい。また,後から原子や分子をモデルで学習するときも,戸惑う生徒が多い。

   

4 観察,実験の改善のポイント,開発した教材教具

直径2cm透明なプラスチックの管

カワイ モツキュウ(12φ),極小ビーズ,ゴムせん

透明なプラスチックの管に極小ビーズを詰め,その後カワイ モツキュウを入れる。体積の変化がわかるように,ビニールテープで線を引く。ゴムせんをしたあと,よく混ざるようにプラスチック管をふる。しっかり混ざったところで,ビニールテープで線を引く。

径の大きいモツキュウの間に極小ビーズが入り込み,体積が減少するようすが観察できる。

ビーズとモツキュウを短時間で分別するには,粒度分析用の組ふるいを用いるとよい。

 

5 授業展開案

高尾野町立高尾野中学校 林 聖子