1 研究に取り組んだ観察,実験(6 地球と宇宙) 2分野下 地球と宇宙(天体の日周運動) 2 観察,実験のねらい (1) 天体の日周運動が地球の自転による相対的運動であることをとらえさせる。 (2) 金星の形と見かけの大きさの変化ついて,視覚的にとらえさせる。 3 観察,実験の問題点 (1) 取り扱う事象は,天体というスケールが非常に大きな物体による運動であり,短時間で変化が見られないため,その事象を教室に持ち込み観察することができない。 (2) 生徒に天体運動のイメージを付けさせることが重要であるが,非常に個人差が見られる。モデルやコンピュータシュミレーションを用いて天体運動を想像しやすくする必要があると思われる。 4 教材開発の視点 天体モデルにカメラを取り付け,カメラを地球に立っている観測者とし,天体モデルの自転とともにカメラの映像が日周運動と同じように変化することを示し,日周運動や天球の動きについての理解を補助する教材を製作する。
(1) 教材研究のポイント ア お金がかからず,入手しやすい材料で製作できる教材 イ 丈夫で,数年間使用できる教材 ウ 使用の際に準備が簡単で,手間のかからない教材 (2) 改善した観察,実験 ア 材料
塩化ビニールパイプ,ビニールテープ 蝶ナット,蝶ボルト,分度器 トモ羽子板(2個) 速乾コンクリート(1kg) 土台用容器(プラスチック製) USBカメラ 吸盤 クリップ(4個) イ 道具 両面テープ,ビニールテープ ホットグルーガン,電動ドリル ホットカッター ウ モデルの作り方 @ 土台の作り方 (ア) 速乾コンクリートに水を加え,プラスチック容器に流しこむ。 (イ) トモ羽子板のネジ部分を(ア)の真ん中に垂直に差し込み,固定する。 (ウ) 約24時間放置し,コンクリートを固まらせる。 (エ) 分度器にドリルに穴を空け,分度器と2つのトモ羽子板の穴を合わせて蝶ナットと蝶ボトルで固定する。 A 透明球の作り方 (ア) 透明阪急の赤道,北緯33度に相当する部分に内側からビニールテープを貼り付ける。
(ウ) 透明半径を両面テープで張り合わせ,塩化ビニールパイプをホットボンドで接着する。
土台のトモ羽子板に透明球のビニールパイプを差し込む。 C 吸盤付きUSBカメラの組み立て
(イ) 台紙の中心にUSBカメラを通す穴を開ける。 (ウ) 台紙の穴にUSBカメラを通し,大型の吸盤をネジとボルトで固定する。 (エ) 大型ゼムクリップをL字型に開き,台紙の4ヶ所に差し込む。 (オ) ゼムクリップに紙を被せ,東西南北を記入する。
@ 地球モデルに吸盤付きUSBカメラを取り付ける。 A パソコンに接続し,電源を入れて映像を画面に表示する。 B カメラの向きを変えたり,モデルを回転させたりさせながら映像をみせる。 オ 問題点 @ 日周運動はよく分かるのであるが,金星の「よいの明星」,「明けの明星」は,カメラに明るさを自動調整する機能があるためかうまくいっていない。モデルの配置などの調整や工夫が必要である。 A パソコン画面では小さいので,テレビやプロジェクターで大きく見せることが必要であると思われる。 カ その他の活用法 @ USBカメラを資料提示装置として使用する。 A 静止画撮影機能を利用し,授業・実験記録を行う。 出水市立荘中学校 吉本 成洋 |