パスカルの原理


【目的】
 パスカルの原理を確認する。パスカルの原理という言葉は学習しなくても,圧力を基にある面積に働く力が計算可能である以上,圧力を基にした力の釣り合いを理解させることは必要である。
【教科・単元】
 中学校理科1分野の発展学習,物理T,U
【準備】
 ガラス製注射器(内径の異なるもの二本以上),ゴム管,器械油,たこ糸,スタンド,厚紙,発泡ポリスチレン容器,両面テープ,分銅,砂
【組立て】
@ 装置は二本の注射器をゴム管でつなぎ,たこ糸できつく縛る。シリンダーに器械油をさし,滑らかに動くことを確認する。
A 小さい方のピストンをはずし,大きい方のピストンを目盛の中央付近まで押し込んでから小さい方のピストンを押し込む。このとき,ピストンの重さで小さい方のピストンは最下点まで下がって釣り合う。
B 大きい方のピストンにおもりを載せるためのカップを取り付ける。また,小さい方のピストンにも厚紙を取り付ける。取り付けは両面テープ等を利用する。
C 大きな方のピストンのカップに砂などを入れて,小さい方のピストンにおもりを載せない状態で釣り合うようにする。
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【実験・手順】
@ 小さい方のピストン上に100gのおもりを載せる。
A 小さいピストンが動くまで大きい方のピストン上におもりを載せていく。
B 釣り合ったときのおもりの合計を求める。
C 注射器の内径をノギスなどで測定し,おもりの比が面積の比になっていることを確認する。ノギスがなければシリンダーの目盛りを測り,面積を求めることができる。
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【結果】
 内径25mmと9mmを使用(面積約7.7倍)したとき,小さいピストン上の100gのおもりに対し,大きいピストン上のおもりの合計は400g(8倍)であった。
【留意点】
・ シリンダー内に水を入れた場合,ピストンとシリンダーが引っ掛かることがある。シリンダーに油をさせば,水を入れなくても空気だけで十分実験可能である。
・ 釣り合いに近くなるとピストンの動きがゆっくりになるので,あらかじめ理論値を求めておいた方がよい。生徒実験には不向きであり,演示実験の方がよい。