磁界の観察 【目的】 スチールウールと流動パラフィンを利用して磁界を立体的に観察する。 【教科・単元】 物理T 【工夫した点】 ・ スチールウールの長さを切りそろえることで,流動パラフィンの中で磁界を立体的に観察することができるようにした。 【準備】 ビーカー(50ml),流動パラフィン(又は透明サラダ油),スチールウール 磁石(U型,棒型,ドーナツ型),アルミ棒(直径5o,長さ10cm程度) 【準備】 @ スチールウールを約2mm の長さに切りそろえる。スチールウールをほぐし,ひも状に紡いでいくことにより繊維の方向をそろえることができる。 繊維の方向がそろったところでハサミで切っていく。ゴム手袋をして取り扱う。ハサミで切るので,ひもの太さを大きくしないようにする。 ![]() A ビーカーに底から4分の1程度まで流動パラフィンを入れ,切りそろえたスチールウールを入れ,アルミ棒でかき混ぜる。 すこし揺すりながら混ぜるとよい。 B ビーカーを磁石に近づけて磁界の様子を観察する。 【結果】 N極とN極 ![]() N極とS極 ![]() ドーナツ形磁石(側面から撮影) ![]() 【留意点】 ・ 磁力線は,磁界の様子を視覚的に表すために考えられた仮想的な線であるが,磁性体は磁界中で磁化され,磁界に沿って並ぶ。 あたかも実際に線があるように見えるため,磁界の様子を観察するには便利である。 流動パラフィンは比重が大きく,スチールウールが沈むのに時間がかかるので,立体的な磁界の観察に適している。 サラダオイルは,比重が流動パラフィンより小さくスチールウールが沈むのが速いので,できるだけ流動パラフィンを使用する方が望ましい。 ・ 流動パラフィンは非常に粘性が高く,手に付けたりこぼしたりすると後始末が大変である。 少量ならば布や紙などにしみ込ませ,一般ゴミとして廃棄してよい。 多量に廃棄するときは有機可燃性廃液として保管しておき,専門業者に委託する。 皮膚や手に付けないように注意し,目や皮膚に付いたら多量の水で洗い流す。口に入ったら,口をよくすすぐ。可燃性であるので火災に注意する。 ・ 流動パラフィンは無味,無臭で熱・光・酸に対して安定である。水,アルコールに不溶で,石油,ベンゼンなどに溶ける。 ・ 使用後はラップフィルムでカバーをして保管する。 |