一様な磁界中で平行レール上を運動する導体棒


【目的】
 一様な磁界中を運動する導体棒の運動を観察し,フレミングの左手の法則を理解させる。
 また,磁界中を運動する導体棒には誘導起電力が生じることを理解させる。
【教科・単元】
 物理U
【工夫した点】
・ できるだけ長い移動距離を確保できるようにした。
・ 特に強力な磁石を必要とせず,フェライト磁石で実験可能にした。
【準備】
 ドーナツ形フェライト磁石(直線に並べて50cm程度),L型アルミアングル(15×15o×500o),アルミ棒(直径5o,長さ50o),ナイフスイッチ(電流逆転型),木ねじ,板(120o×700o×12o),ドリル
【組み立て】
@ L型アルミアングルを下図のように加工して板に取り付ける。
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A L型アルミアングルの上面を目の細かいやすり又は砥石で磨く。市販のアルミ製品は酸化防止のため表面をコーティングしてあり,これが電流の流れない原因になる。
B スィッチを取り付け,配線する。
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レールの電流は逆転するので電流計はスイッチと電池の間に入れる。
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C 直径5oのアルミ棒を50oの長さに切り,丁寧に磨く。
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D 磁石は向きをそろえると反発力になるので,薄い板(アクリル板など)に両面テープで張り付ける。
【実験】
 エタノールを脱脂綿に含ませ,L型アングルとアルミ棒をこすりながらよくふく。
 電池と電流計を接続し,スイッチを入れると最大2A程度の電流が流れ,アルミ棒が動き始める。
 アルミ棒の速度が増すと電流が減ることが確認できる。
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【留意点】
・ アルミは酸化しやすいので,実験前に必ずエタノールでよくふく。長く使用しなかったときは,エタノールでふく前に酢酸でふくとよい。