電気泳動


【目的】
 コロイド溶液に電極を入れて電圧をかけると,コロイド粒子が正又は負の電極へ移動すること(電気泳動)から,コロイド粒子が電気を帯びていることを理解させる。
【教科・単元】
 化学U
【準備】
 U字管,電源装置,ステンレス板,駒込ピペット,メチレンブルー,蒸留水
【工夫した点】
 メチレンブルーを用いたコロイド溶液に蒸留水で境界面を作り,コロイドの電気泳動を見やすくした。
【手順】
@ U字管に蒸留水を半分ほど入れ,0.1%メチレンブルー水溶液を用いU字管の底の方から蒸留水と混ざらないように注意しながらゆっくりと入れる。
A メチレンブルーを入れ終わった後,U字管の底から駒込ピペットを抜くときは液をゆっくり吸うようにして引き抜く。
B 先を曲げたステンレス板を差し込み,電極とし,30Vの電圧をかける。
【結果】
 メチレンブルーの電気泳動の様子を下に示す。左のステンレス板が負極,右のステンレス板が正極である。メチレンブルーのコロイド粒子は,正の電荷を帯びているため負極に移動する。約10分で2cmほど移動するのが観察される。
画像
画像
【留意点】
・ 高電圧をかけているので,実験中は装置に触れないようにする。
・ 色素液であるメチレンブルーは,手や皮膚に付いたらなかなか取れないので注意する。
・ 移動速度を大きくするために,極板となるステンレス板を境界面に対して平行となるように折り曲げる。
・ U字管に入れたコロイド溶液と蒸留水が混ざらないようにするためには,駒込ピペットでコロイド溶液を入れた後,溶液をゆっくり吸いながら引き抜くとメチレンブルーと蒸留水の間にきれいな境界面ができる。
・ 水酸化鉄(V)のコロイドの電気泳動を下に示す。水酸化鉄(V)のコロイドはメチレンブルーに比べ移動速度が小さく,10分間で5mm程度である。観察するときは,コロイド溶液と蒸留水の境界面に付せん紙などで目印を付けておくと良い。
画像
画像