顕微鏡のレンズクリーニング


【目的】
 顕微鏡のレンズが汚れていると,美しい像を観察することができない。1年に1回程度,下記の方法でレンズをクリーニングすると,レンズの汚れの大部分を取ることができる。
【単元】
 顕微鏡の使用を伴う単元
【準備】
 ブロアー(写真1,カメラ用品店で購入できる),綿棒,レンズクリーニング液
※ レンズクリーニング液の組成
 ・ メチルアセテート(酢酸メチル)  65%
 ・ エタノール            30%
 ・ ジエチルエーテル(エチルエーテル) 5%
※ 上記の外に,ハンドラップやレンズクリーニングペーパーがあると便利である。
※ 古い書籍ではキシレンを用いる方法が紹介されていることがあるが,レンズのコーティングに悪影響があるので,絶対に使ってはいけない
【手順】
@ 石けんで手をよく洗い,脱脂する。作業中はレンズを直接手で触らないようにする。
A ブロアーで,レンズに付着しているほこりを吹き飛ばす(写真2)。
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B 綿棒に少量のクリーニング液を付けて(写真3),接眼レンズや対物レンズ,鏡筒内のレンズをクリーニングする。ふき方は,軽くゆっくりと,中心から円を描くように外側へふき取っていく(写真4,途中で途切れないように,一筆書きの要領で)。
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C 綿棒が届かない部分やしつこい汚れには,先端の細い棒の先に脱脂綿又はレンズクリーニングペーパーを巻き付けて,クリーニング液を付けてふき取る。
D ふき残りのクリーニング液がレンズに付いていれば,乾いた綿棒でBと同様にしてふき取る。
【留意点】
 レンズを良好な状態で保つには,日ごろの管理が最も重要である。シリカゲルを用いて乾燥を保つことで,カビが生えないようにする必要がある。
【参考】
 『顕微鏡のすべて』井上勤監修,1997,地人書館