デジタルカメラによる天体写真の撮影


【目的】
 天体写真の撮影は天文分野の観察では必ず必要であったが,その場で撮影の結果を見ることができなかった。そこで,近年普及してきたデジタルカメラを使って天体写真を撮影する方法を紹介する。
【教科・単元】
 理科総合B,地学T・U 望遠鏡での観察を伴う単元
【準備】
○ 天体望遠鏡架台がしっかりしたものを選ぶ。頑丈な三脚に取り付けた地上用望遠鏡も使うことができる。
○ デジタルカメラ小型モニターで画面が確認できるタイプ。レンズの径が小さい方が合わせやすい。
【手順】
@ 目で観察する天体を合わせ,しっかりと固定する。倍率が高い場合は追尾モーターで天体を追尾する。
A デジタルカメラの小型モニターを見ながら,レンズを望遠鏡の接眼部にあてる。ズーム付きのカメラでは,テレ側にする。ストロボが発光しないようにする。
B 手ぶれしないように静かにシャッターを切る。
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【結果】
○ 月の撮影
 望遠鏡の接眼部にデジタルカメラのレンズをあてて手持ちで撮影できる。
○ 太陽の撮影
 太陽投影板に投影した太陽像を撮影する。露出オーバーにならないように撮影して,画像処理ソフトでレベル調整を行うと,黒点の様子もはっきりとする。
○ 惑星の撮影
 望遠鏡の接眼部にデジタルカメラのレンズをあてて撮影する。接眼部にカメラを固定することができると撮影が楽になる。
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○ 恒星の撮影
 カメラを三脚に固定して,シャッタースピードを16秒にして撮影した。最大露出時間はカメラの種類によって異なる。長時間露出では電子ノイズが出やすくなる。
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【留意点】
○ デジタルカメラでは撮影して,すぐに写りぐあいを確認することができるようになった。したがって,1枚だけでなく条件を変えて何枚も撮影する。
○ 低倍率で月などを撮影すると,月が露出オーバーになることがある。月の表面が見えるように露出補正を行う。
○ 惑星など暗い天体を撮影する場合は手持ち撮影では手ぶれする。望遠鏡の接眼部にカメラを固定する方法もある。