ゾウリムシの電気走性


【目的】
 ゾウリムシの電気走性を観察し,動物の走性について理解を深める。
【教科・単元】
 生物T「環境と動物の反応」
【工夫した点】
 顕微鏡投影装置を使って演示すると,効果的である。電源装置がない場合,代わりに9V乾電池を使用すればよい。
【準備】
 ゾウリムシ,パスツールピペット,電源装置(20V,5A)又は9V乾電池1個,細い導線,リード線
【手順】
@ スライドガラスに2本の導線を巻き付けて,リード線のクリップで挟む部分を作る(導線の間隔は2〜3cm)。
A もう1枚のスライドガラスを下に重ね,スライドガラスの両端をセロハンテープで張り合わせる。2枚のスライドガラスの間に,わずかな透き間ができるようにする。
B 顕微鏡のステージにスライドガラスを載せ,2枚のスライドガラスの透き間に,ゾウリムシをパスツールピペットで注入する。
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C リード線を電源装置(又は9V乾電池)に接続して,リード線のクリップとスライドガラスに巻き付けた導線とを結ぶ(写真1,2)。
D 10〜20Vの電圧でオン,オフを繰り返しながら,低倍率の顕微鏡(又は双眼実体顕微鏡)で,ゾウリムシの行動を観察する。
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【結果】
電流を流すとゾウリムシは繊毛逆転を起こして,一斉に陰極(マイナス極)に向かう(写真3)。
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 ※ 上の画像をクリックすると,動画が表示されます(electrotaxis.mpg,559KB)。
【留意点】
・ 培養液の液面付近に密集するゾウリムシを採取して,できるだけ高密度にした方が観察しやすい。
・ 顕微鏡では,像の移動方向と実際の移動方向が逆になる。このことに留意して,陰極に向かうことを確認させる。
・ 高電圧にしたり長時間電流を流したりすることは,電極からガスが発生してゾウリムシが死ぬ原因となるので,避ける。
※ ゾウリムシは県総合教育センターで培養しており,必要な学校に配布している。


                 (鹿児島県立国分高等学校 讃岐  斉)