地震波(P波,S波)の伝わる媒体に関する実験
【目的】
 縦波は固体,液体,気体中を伝わり,横波は固体中しか伝わらないことは確認する。
【工夫した点】
 縦波と横波が液体中を伝わるかどうかを観察する実験装置を考案した。
【準備】
[材料]
 塩化ビニルパイプ(直径6p・・雨どい用),鉄の棒(直径5o,長さ1m),
 アクリルの透明な筒(塩化ビニルパイプの内側にちょうど入る程度の直径),
 木の板(20p×30p),穴の開いた金属板,振動止めゴム板
 ナット(鉄の棒用2個),木ねじ
【手順】
1 塩化ビニルパイプとアクリルの透明な筒を組み合わせて,U字形に水を入れる容器を作る。(写真1)
  この容器を床に固定できるようにする。
2 鉄の棒をその中心で固定して支えるような台を作成し,台を机などに固定する。(写真2)
  鉄棒を固定しすぎると,鉄棒の振動が弱まるので,振動防止用のゴム板をナットの間にはさんで
 鉄の棒をゆるく固定する。
3 鉄棒の先端に,振動が水に伝わりやすくするため,円形の板を取り付ける。(写真3)
  円形の板が水面の高さになるように調整する。
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【結果】
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1 横波の実験
 (1) 小さなハンマーで,鉄の棒が固定されている部分の少し上を横から軽くたたく。
 (2) 鉄棒の入っている液面は激しく振動しているが,反対側の液面には伝わらない様子を確認する。
2 縦波の実験
 (1) 小さなハンマーで,鉄棒を上から軽くたたく。
 (2) 鉄棒の入っている液面はあまり振動しないが,反対側の液面が上下に振動する様子を観察する。
【留意点】
 ・ 縦波の実験において,液面に現れる振動は短時間で消える。また,光の具合で液面の振動を観察
  しづらい場合があるので,照明の当て方を工夫する。
 ・ 縦波の実験において,上部をハンマーでたたくとき,まっすぐにたたけないことから鉄棒に横方向
  の揺れが発生してしまうことがある。
 ・ 水を入れる容器の直径が6cmと小さいため,横波や縦波ではなく鉄棒の振動による液面の揺れが,
  反対側の液面に伝わってしまうことがある。