取り組んだ

観察,実験

 第4学年「もののかさと力」

 「考えよう」:空気ポンプの原理

観察・実験

のねらい

 空気の弾性と,水の「力を加えてもかさを縮めることができない性質」を関連付けて考え,空気ポンプの原理を理解する。

1 観察,実験の実際

@ 教師の用意した空気ポンプを見せて,空気入れを動作させるとどのようなことが起きるか予想させる。

A 実際に空気ポンプを動作させ,水を飛ばして見せる。

B これまでの学習を振り返り,原理を考えさせる。

C より水を勢いよく噴き出させるにはどうしたらよいか考えさせる。

D 児童から出た考えを実験によって確かめる。

E 空気の弾性を利用した道具やおもちゃが身の回りにないか考えさせる。

2 問題点

・ @〜Bについては児童の考え方に大きなつまずきは見られなかった。

・ Cで「水の量を増やせばいいと思う」という意見が出て,Dで実際に試してみると水は勢いよく噴出する。

・ Eで空気ポンプの形状から「ライター」を想起する児童が複数いた。また,霧吹きから「スプレー缶」を想起する児童がおり,両者の違いに気付くことが困難であった。

 

3 観察,実験のポイント,新たに開発した観察,実験

・ 児童の意識が水の量との相関に向かないように,Cについて考えさせるときの条件として「水の量はこのままで」という条件を付け加える。

・ 水の量を増やすと,相関して閉じこめられた空気の量が減少する点に着目させ,同量の空気が注入されたときの空気の弾力の大きさに変化があることを,これまでの実験(例:導入実験のビニール袋に空気を集める実験)を振り返って考えさせる。(容量の小さなビニール袋を用意しておく)また,同じ型のエアーポットを2台用意し,水の量を変えて動作させてみせると,より理解さやすいと考える。

・ Eでライターやスプレー缶が出た場合は,「押し続けるとどうなるかな?」と問い掛け,空気ポンプや霧吹きとは原理が異なることに気付かせればよいと考える。ここでは深く追求させないが,どうしても原理を知りたいという児童がいれば,人間を原子,容器を部屋に例えて説明をすると,4年生でも物質の三態を感覚的にとらえることができた。

☆ 水を勢いよく飛ばすためには,空気を入れたときすぐに水が飛び出さないようにして内圧を上げることが重要である。そこで,エリコン管の途中にワニ口クリップを付け,内圧を上げるようにした。

 

(鹿児島市立福平小学校  川畑 智広)