5年

単元名

 花から実へ

 

単元のねらい

・ 生命の連続性についての見方や考え方をもつようにする。

・ 植物の結実にかかわる条件を,計画的に追究する能力を育てることができる。

・ 生命を尊重する態度を育てる。

児童の素朴な見方や考え方

児童のつまずき

教師の支援・対応

納得・実感させるために必要な

観察・実験

T (ヘチマとアサガオを観察しながら)

花のどこが実になるのだろう。実の形と似ている所はないかな?

C 花の付け根の所だろうか。アサガオはここに種ができるから。

C ヘチマは,花の付け根の部分が違う花があるよ。

C ほんとだ。2種類ある!

T ヘチマには雌花と雄花があるんだよ。実になるのは,どちらだろう。

C 雌花

T どうして?

C 魚もメスが卵を生むし,人も女性が赤ちゃんを産むから。

T 雄花は何の働きもしないのかな?

C きっと関係があると思うよ。

T 花のつくりをもっとくわしく観察してみよう。

C アサガオは,真ん中にめしべがあって,その回りにおしべが5本あった。

C おしべの先には,花粉がついている。

C ヘチマのおしべとめしべはよく見ると形が違う。

T 顕微鏡で見てみよう。

C よく見えません。

C アサガオの花粉は,丸くてメダカの卵みたい。

C ヘチマは,ひまわりの種に似ているぞ。

C 花によって花粉の形が違うね。他の花の花粉も違うのかな。調べてみたい。

C ヒガンバナは,どこに花粉があるのか最初分からなかった。

C マリーゴールドやコスモスの花粉を調べたよ。

T 花粉は,どのようなはたらきがあるのだろう?

C よく分からない。

C めしべの先につくと実ができるのでは。

T そうだとしたら,花は別々に咲いているのにどうやってめしべに付くの?

C ハチがみつを吸いに来て付けていくんじゃない。

C 虫が止まっているのを見たことがあるよ。

C だれかが付けているかも。でも見たことないよね。

C 台風みたいに風が強いときに飛ばされる?

T 実験してみよう。

(しかし,ヘチマの時期が終わっており実験できず)C どの花も虫が運んでいるのかな。

C 花粉は,軽いから風で飛んだりするものもあるのでは?

C 花粉症ってあるけど,もしかしてそれ?

T 植物によって受粉の仕方が違うのか調べてみよう。

C 虫が受粉させるものと風で受粉するものがあるよ。

T 植物は,受粉して生命を伝えるために,どんな工夫をしているのだろう。

C 花は人を楽しませるためだけに,きれいな色をしていると思っていたけど,命を伝えるための工夫でもあると初めて知った。

C 植物も魚や人と同じで生命を残すために工夫していることが分かった。

C 植物は,すごい力をもっていると思った。他の植物の花のつくりや仕組みも調べてみたい。

C 植物にとって花は,生命を伝える大切な役割をしているので,花を痛めたり,ちぎったりしないようにしたい。

○ 花の形からどこが実になるのか推論させる。

 

 

○ 児童の気付きを大切にし,それぞれの児童の気付きを全員の児童に広げる。

 

 

 

 

 

 

 

○ 「魚と人の誕生」の学習から,植物もおしべとめしべが関係し合って実ができると考えた児童が多かった。

 

○ 花には,ヘチマのように雌花と雄花がある植物と,アサガオのように1つの花にめしべとおしべがある植物があることを確認する。

○ 花の各部分の名称については,教科書で調べさせ,記入させる。

 

※顕微鏡の使い方を説明し,練習させるがなかなかうまく使えないので,教師がピントを合わせるところも出てくる。

 

 

※プレパラートの動かし方

※児童は,顕微鏡で覗きながらスケッチするのが難しい。

 

 

 

 

 

○ めしべの先にも花粉が付いていたことを想起させる。

○ 児童に,自由に発言させ,花粉のはたらきを予想させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 実験ができなかったため,実験の方法を話し合い,結果は教科書で確認するにとどまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 教科書などで調べさせる。虫媒花や風媒花があることを説明する。

○ 植物は,受粉によって実を結び,種子を作り,生命を伝えていく。そのために,様々な工夫をしていることに気付かせる。

 

○ 生きているものはすべて,体に命を受け継ぐための仕組みが備わっていることを確認する。また,生命の連続性のすばらしさを感じとることができるようにする。

 

 

 

 

○ ヘチマについては,雌花と雄花を比べさせ,それぞれの特徴に気付かせる。

※ どちらが雌花であるか,雄花であるかについては教える必要がある。

 

 

 

 

※ 児童は,これまで学んだことと関連付けて考えようとする。

 

 

 

○ 花の全体と中心部を虫メガネで観察させ,スケッチさせる。

中心部が観察しにくいので,花びらの一部を切りとって観察させる。

 

 

 

 

○ 顕微鏡の使い方に慣れさせるため,教室にしばらく設置し,自由に使えるようにした。

 

 

 

○ 校内に咲いている花の花粉を自由に採取し,観察させた。花粉の形や大きさは,植物によって違うことに気付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 受粉実験をしょうとしたが,ヘチマの結実の時期が早くて,実験ができない。キュウリやカボチャなど別のもので実験しようとしたが,見つからない。夏休み中に受粉の制御が必要だったことを後から知った。

(教科書,ビデオで確認)

 2学期に受粉実験のできる教材の栽培が必要

 
 

 

 

 


○ 虫媒花による花のつくりを図で補足する。

(ノアザミ,エエシダ)

 

 

 

 

○ 校内を回り,花や木を再度観察し,植物に対する見方や考え方を広げる。

 生きていく上での植物の巧みさという観点から植物の観察をさせる。

 
 

 


(東郷町立鳥丸小学校  大石 裕見子)