取り組んだ

観察,実験

 第5学年「魚の誕生」

 魚の成長の様子の順序を推論する

観察・実験

ねらい

 生まれた日が異なるいろいろ卵を採取し,それを成長の順に並べ直す活動を通して,卵の中の変化の様子の順序を推論することができるようにする。

 解剖顕微鏡を正しく操作して,それぞれの卵の中の様子を観察して,成長の目立った変化をとらえることができる。

1 観察,実験の実際

 (1)  観察池から水草ごと卵を採取してきて,水槽に入れておく。

 (2)  児童一人に卵1個をずつ採取させ,解剖顕微鏡で観察させ,ノートにスケッチさせる。

 (3)  友達の選んだ卵も観察させ,自分の卵の育ち具合との違いを観察させる。

 (4)  スケッチを基に,変化の様子を考えながら,卵を成長の順に並べさせる。

 (5) 並べられた卵をミクロビックスで観察させ,ビデオに録画する。

 

2 結果

・ 卵の中のメダカは,最初に目に特徴ができることに気付く児童が多かった。(メダカの名前の由来と関係?)

・ 同じ時期の卵を選ぶ児童が多く,卵が成長の順にバランスよく並ばなかった。

・ 卵の中の体が少しずつ成長し,養分があるところ(卵黄(油球))が少しずつ小さくなっていくことから,生まれたばかりのメダカは卵の中で養分を取りながら成長していくことに気付かせることができた。

 

3 問題点

・ 教師がある程度,意図的に児童に卵を与えなければ,同じような成長段階の卵ばかりで,子供が成長ごとの特徴をしっかりつかむことができない。

・ 観察した卵がそれぞれ違う固体であることから,卵の育ち具合が必ずしも産まれた日と一致しないことをどう取り上げるか。(個性をどうとらえるか。)

 

4 観察,実験のポイント

・ ランダムに子供に卵を採取させるのではなく,生まれた日ごとに水槽を分ける等してある程度意図的に卵を与えると,児童が時期によって成長が違うことを実感できる。

・ 個性差はあっても,すべて同じように成長の過程を通ることについての理解をさせることが必要である。したがって,児童一人一人が卵から成魚までの飼育を一度経験してから,まとめの活動として行う必要がある。

 

 

(鹿児島市立犬迫小学校  和田 哲也)