単元名 |
3年 こん虫をしらべよう |
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単元の目標 |
○ 野外にいる昆虫に興味をもち,いろいろな昆虫をさがして,それらの食べ物とすみかを調べ,昆虫には植物を食べたり,それをすみかにしたりして生きているものがいることをとらえることができる。 ○ いろいろな昆虫のからだのつくりを調べ,先に学習したチョウの育ち方と比較し,昆虫には,幼虫から蛹を経ないで成虫になるものがいることをとらえることができる。 |
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学習の活動 (児童の素朴な見方や考え方) |
教師の支援・対応 (納得・実感させるために必要な観察,実験) |
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1 こん虫をさがそう (1) どんな所にどんな虫がいるのか考える。 ○ 草むらにバッタがいる。 ○ 池にアメンボがいる。 ○ 畑や土に虫がいる。
(2) こん虫さがしをする。
○ 草むらを網でたたいたり,木をゆすったりしながら夢中になって,こん虫をさがしていた。 (3) つかまえたこん虫の食べ物やすみかについて調べて,発表する。 ○ セミは小さな虫を食べると思っていた。木のしるが食べ物とは知らなかった。 ○ バッタは草と同じ色をしているから,敵に見つかりにくい。 (4) こん虫の食べ物とすみかとの関係をまとめる。 |
○ 子どもたちの昆虫に対する関心を高めるために,市販の昆虫模型を提示する。 ★ 事前に昆虫採集をする場所の下見に行き,ある程度,採集できる昆虫を把握しておく。
○ 採集に行く前に,安全指導(@ハチや毛虫に要注意 A草や木での怪我に注意 B危険なことをしないこと)を行う。 ★ 採集した昆虫は,虫かごに入れて学校まで持ち帰り,元の場所に戻す前に写真を撮り,教室に掲示した。 モンシロチョウ・ショウリョウバッタ・イナゴ・カマキリ・テントウムシ・モンシロチョウ・ ツマグロヒョウモン・シオカラトンボ など
★ 調べる方法は,教科書や図書室の図鑑を使って調べさせた。 ○ 子どもたちは,「すみか」という言葉に戸惑った。そこで,「その昆虫がたくさんいる場所」のことだと言い換えた。 ○ 食べ物とすみかの関係性について気づく子どもが少なかったので,「なぜ,バッタは草むら(すみか)にたくさんいるのか」と問い掛けると「えさがたくさんあるから」という答えが返ってきた。 |
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<成果と課題> 1 採集した昆虫の写真を教室に掲示したことで,子どもの昆虫に対する関心を持続できた。 2 食べ物(植物)とすみかの関係性を気づきやすくするために,植物(花・草・木・土)が描かれているワークシートを準備し,その植物の場所に昆虫の名前と食べ物が書き込めるようにすると分かりやすかったのではないかと思う。 |
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学習の活動 (児童の素朴な見方や考え方) |
教師の支援・対応 (納得・実感させるために必要な観察,実験) |
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2 こん虫のからだをしらべよう (1) バッタやトンボのからだのつくりを調べる。 <バッタについて> ○ 足は6本でとげとげがある。 ○ 頭が長くて,目が小さい。 ○ 小さいはねがある。 ○ 触覚が2本ある。 など <トンボについて> ○ からだが三つに分かれている。 ○ 目の中に小さな目がいっぱいある。 ○ しっぽが曲がる。 ○ はねがすきとおっていて,4枚ある。 ○ 小さな毛がたくさんある。 (2) ダンゴムシのからだのつくりを調べる。 ○ 足がたくさんある。 ○ からだがたくさん分かれている。 ○ 小さな触覚が2本ある。 ○ どこがむねとはらなのか分からない。 など (3) バッタ・トンボとダンゴムシのからだのつくりの違いをワークシートにまとめる。 |
○ 事前に数人の子どもたちと一緒にクラスの人数分(8人)のバッタを採集した(ダンゴムシも人数分,トンボは1匹)。
★ チョウのからだのつくりを想起させ,バッタのからだのつくりについて予想を立てさせた。 ★ 調べる際は,観察のポイントを提示した。 トンボは一匹しかいなので,ペアになって観察させた。 A からだの分かれ方 B あしやはねの付き方 C 目や口の形 D その他に気がついたところ
○ バッタは幼虫だったために,はねが小さく,枚数を数えるのが難しかった。
★ トンボは,頭・胸・腹がはっきりと分かれており,からだのつくりを確認するのに適していた。子どもたちは,トンボの目に注目していた。
★ ダンゴムシも一人ずつに渡し,バッタやトンボのからだのつくりと比較しながら観察するように声掛けした。
★ ダンゴムシは動くために観察しづらいので,教科書の挿絵を使ってあしの数は数えさせた。クモのからだのつくりについても取り扱った。
○ 子どもから,「ダンゴムシ・クモは,昆虫でなければなんなのか?」と質問があった。 |
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<成果と課題> 1 バッタやトンボとダンゴムシという比較対象物を実際に手にとって観察できたので,子どもたちの学習意欲が高かった。 2 他の昆虫のからだのつくりについても調べさせると,からだのつくりについての理解を更に深められたと思う。
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学習の活動 (児童の素朴な見方や考え方) |
教師の支援・対応 (納得・実感させるために必要な観察,実験) |
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3 トンボやバッタの育ち方を調べよう。 (1) 自分が調べたいこん虫の育ち方について教科書や図鑑で調べる。
(2) 調べたことを画用紙に書く。
(3) 調べたことを発表し合い,気づいたことをまとめる。 ○ さなぎにならないこん虫がいる。 ○ アリがまゆを作るなんて知らなかった。 ○ トンボは水の中にたまごをうむ。 ○ バッタとカマキリはさなぎになると思っていた。 など
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○ 教科書では,トンボやバッタの幼虫を飼育しながら,どのように成虫になっていくか観察をするとなっている。しかし,5月頃はたくさんいたヤゴが見つからなかったり,バッタの成長が授業の進み具合と合わなかったりして,飼育・観察が十分にできなかった。 ★ 上記のような実態を踏まえて,8種類の昆虫を子どもたちに提示し,自分が育ち方を調べてみたい昆虫を一つ選び,教科書や図鑑を使って調べさせた。 不完全変態の昆虫(バッタ・トンボ・セミ・ カマキリ) 完全変態の昆虫 (ハチ・カブトムシ・アリ・ クワガタ) ○ お互いの発表の中で,昆虫の育ち方に違いがあることを気づかせたいという意図から,不完全変態の昆虫が含まれていることは子どもたちには知らせなかった。 ○ 調べたことのまとめ方の例を提示した。画用紙を2枚つなげて折り目をつけ,絵本のように閉じられるようにした。 上段:昆虫の成長の様子 中段:成長の様子の絵 |
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<成果・課題> 1 調べたいと思う昆虫の育ち方を図鑑で調べていくうちに,教科書に載っていないような内容を自分で発見できると非常に喜んでいた。 2 不完全変態の昆虫の育ち方をより具体的に知るために,ヤゴがたくさんいる時期にビデオで撮影しておいたり,テレビの学校放送をもっと活用したりすることが課題として残った。 |
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(加世田市立川畑小学校 教諭 柏木 恵子) |
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