単元名

3年 こん虫をしらべよう

 

 

単元の目標

     野外にいる昆虫に興味をもち,いろいろな昆虫をさがして,それらの食べ物とすみかを調べ,昆虫には植物を食べたり,それらをすみかにして生きていたりするものがいることをとらえることができるようにする。

     いろいろな昆虫のからだのつくりを調べ,学習したチョウの育ち方と比較し,昆虫には,幼虫から蛹を経ないで成虫になるものがいることをとらえることができるようにする。

学習活動

(児童の素朴な見方や考え方,つまずき)

教師の支援・対応

(納得・実感させるために必要な観察,実験)

第1次こん虫をさがそう

1 校庭や野原などで昆虫をさがして,昆虫とそれらの食べ物とすみかを観察する。

 ○ バッタ・・・草むら→葉を食べている

 ○ セミ ・・・木→鳴いている,木のしる

 

2 昆虫の食べ物とすみかを調べる。

○ 7月上旬なのにトンボがいて,校庭を飛んでいるのを「遊んでいる。」と予想する児童がいる。

 

 

 

第2次こん虫のからだをしらべよう

1 いろいろな昆虫のからだのつくりを調べて,昆虫のからだのつくりをまとめる。

○ 昆虫とそうでない虫とを区別できない児童がいる。

 

第3次トンボやバッタの育ち方をしらべよう

1 トンボやバッタの幼虫を飼って,成虫になるまで育て,チョウの育ちかたとくらべる。

 ○ トンボもさなぎになると考える児童がいる。

 ○ しっかりと世話をできない児童がいる。

 

2 不完全変態の昆虫の育ちかたとチョウ(完全変態)の育ちかたとを比較して,昆虫の育ちかたをまとめる。

〇 学校の敷地内のどこに,どのような昆虫がいるのかを事前に調査しておく。

○ どこに,どのような昆虫がいて,そこで何をしているか(植物とのかかわり)を予想させてから昆虫さがしをさせ,結果と比較させる。

○ 学校周辺の施設水辺プラザを活用する。

○ 昆虫以外の虫(くも,だんご虫)も集めて比較することで,昆虫の定義を確認する。

〇 植物との関係でとらえられず,昆虫が遊んでいるととらえる児童がいるので,場所や時期によっているものといない昆虫がいることを確認する。

〇 葉に残った食べ痕や交尾している姿にも目を向けさせる。

〇 チョウのからだのつくりと同じところ,ちがうところを考えさせる。

○ 足の数(昆虫は6本)をポイントとして判断するように指導する。

〇 ものを感じとるはたらきを人と比較して考えさせる。

○ トンボやバッタの飼育の仕方を自分たちで調べさせた後,全体で方法を確認する。

○ 世話チェック表を毎日つけさせる。

○ トンボの羽化する様子をパソコンの動画で視聴させ,さなぎを経ないで,幼虫から成虫になる昆虫がいることから,昆虫の成長の仕方には2種類あることをとらえさせる。

〇 学習が終了したら,虫を逃がしたり,死んでしまった虫の墓を作ったりして,生命尊重の指導も行う。

〈成果と課題〉

1 世話チェック表をつけさせたり,死んだ虫の墓を設けたりしたところ,生命尊重の気持ちが高まり,しっかり責任をもって世話をするようになった。

2 実際に観察することができない事項について,パソコンの動画を視聴させたところ,昆虫の成長

について興味・関心をもって学習させることができた。

3 教科書だけでは,「ものを感じ取る働き」を人と比較してとらえさせることが難しかった。

4 バッタは卵を見つけるのが難しく,幼虫と成虫の区別がつきにくいので成長を観察するのには適

していなかった。

(鹿屋市立鹿屋小学校 教諭 瀬戸口 拓也)