単 元 名 |
6年 大地のつくりと変化 |
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単元のねらい |
・ 身の回りの大地やその中に含まれるものに興味をもち,大地の構成物やできかたについて資料等で学習したことを基に地層を観察し,水のはたらきか火山のはたらきか,どちらのはたらきでできたものかを推論できるようにする。 ・ 大地の変化について,自然災害と関係付けながら調べ,大地は地震や火山の噴火などによって変化することをとらえるとともに,そこに見られる自然の力の大きさを感じとれるようにする。 |
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学習の活動 (児童の素朴な見方や考え方) |
教師の支援・対応 (納得・実感させるために必要な観察・実験) |
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1 学習問題を確認する。
2 自分なりの予想を立てる。 C;大きな粒の方が先に積もって,その上に小さな粒が積もったのかな。 C;川の水に運ばれて来た土が何度も海や湖に流れ込んだからかな。
3 調べる方法を確認し,実験する。 (1) 下の写真のような実験装置を組み立て,砂やねん土を含む土を,雨どいの上に置く。
(2) 雨どいに水を流して,水の入った水槽に土を流し込む。
(3) しばらくして,土が沈みきったらまた土を水槽に流しこむことを繰り返す。
4 調べたことをもとに話し合い,地層のできかたをまとめる。
C;層の厚さが違った。思ったより平らにならなかった。 C;ねん土と砂がこんなにきれいに分かれるとは思わなかった。 C;土砂を流し込むだけで,意外と簡単に地層を作ることができた。 C;どうして,水の底でできた地層を見ることができるのだろう。 |
○ 大きな粒の層の上に小さな粒の層があり,いくつも層がかさなっていることに問題を焦点化するために,地層の標本や地層の写真を提示する。
○ 自分なりの予想が立てられない児童には,5年生の流れる水のはたらきの学習にふれ,流水には土地を削ったり石や土などを流したり積もらせたりするはたらきがあることを思い出させる。
○ 雨どいは,幅が10p以上,長さが60p以上のものがよい。長めの雨どいを用いて,傾斜をゆるやかにした方が地層はできやすい。 ○ 水槽は深さが20p以上,角形の水槽の場合は全体に細長い水槽が良い。これは,雨どいを使って流れこんだ土砂が水槽の底で広がらないようにする効果があるためである。 ○ 砂と土の比率は,2:1ぐらいで土を多めにした方がねん土の層を確認しやすい。事前によく混ぜ合わせておく。 ○ 雨どいの上流側に,地層一枚をつくるための砂と土の混合物を厚さ2〜3pでしきつめる。下流側には混合物が水と一体となって流れるようになにも置かない。また,混合物が一気に流れないように水量を調節することが重要である。静かに流れる程度が良い。
○ 自然の川は海に流れ込むので,水槽にはあらかじめ水を入れておく方が地層はできやすい。また,水槽に流れ込んだ混合物が急に落ち込まないために,板を斜めに渡しておく。 ○ 地層のでき方を自然災害とも関係づけるために,流す混合物の量や水の量も変化させながら調べさせる。
○ 5分ほど放置して,土が沈みきったら,再び混合物を流しこみ,一回目のねん土層の上に,砂の層とねん土の層ができたことに気付かせる。
○ 地層は真っ直ぐ水平にできると考えている児童もいるので,地形によって変化することにも気付かせたい。
○ 地層のでき方の順序を考えながら推論している児童を賞賛し,全体に紹介する。
○ 児童の中には,地層は真っ直ぐに重なると考えがあるが,実際に作ってみると,そうならないこともあるので,そこに気付いた児童の感想を意図的に取り上げる。
○ 造山活動について関心をもった児童には,この単元の後半で取り扱うことを知らせ,自分で調べるように勧める。
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(成果と課題) 1 実際に,実験装置を作って土砂を流し込み,教科書の写真や模型で見た地層を自分の目 で確認したことで,地層に対する興味を高めることができた。 2 実験装置等,予算の関係でグループの数だけ準備することができなかった。各グループ で水の強さや土砂の量を考えさせることも必要だった。 |
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(日置市立伊作田小学校 教諭 能勢 修一) 参考文献 「見通しをもって学ぶ子どもを育てる理科学習」著者 角屋重樹・森本信也・村山哲哉 「図解 実験観察大事典 地学」著者 歌代 勤・海野 和三郎 「新編 新しい理科教師用指導書 資料編」 東京書籍 「平成16年 学習指導案」 鹿児島大学教育学部附属小学校 |
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