単元名 |
6年 生き物のくらしとかんきょう | |||||||||||
単元のねらい |
○ 人や動物や植物について興味をもち,進んでそれらの関係を調 べようとする態度を養う。 ○ 動物,植物,環境(空気,食べ物,水)をそれぞれに関係づけながら考えることができるようにする。 ○ 空気中の酸素は植物が出していること,人や動物の食べ物のもとは植物であること,生きている植物だけでなく,かれた植物も動物の食べ物になっていること,水は生き物にとって不可欠なものであることが分かるようにする。 | |||||||||||
学習の活動 (児童の素朴な見方や考え方) |
教師の支援・対応 (納得・実感させるために必要な観察,実験) | |||||||||||
1 植物に日光が当たったときと呼吸の違いは何か考える。 ・ まったく逆だ ・ え,不思議だな。 2 植物も呼吸をしているのか予想する。 ・ 植物も生き物だから呼吸をする。 ・ 一度に逆のことはしないだろう。 3 どんな実験方法で植物が呼吸をしているか調べられるか話し合う。 ・ 気体検知管を使えばいいんじゃない。 ・ 暗くすればいいんじゃない。
4 実験で確かめる。 ※ 暗い箱の中に入れる前の酸素と二酸化炭素量の体積の割合を測る。 ↓ ※ 1日後,暗い箱の中からだし,酸素と二酸化炭素量の体積の割合を測る。
5 実験結果をまとめる。 ○ ほんの少しだけ変化したな。 ○ 酸素が減って,二酸化炭素が増えているので植物も呼吸をしているな。
まとめ
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1 前時に学んだ「植物に日光が当たると二酸化炭素を吸収し,酸素を出す」ことを確認し,呼吸との違いに気付かせる。
2 前時に学んだこととは全く逆のこととなるが,植物も動物と同じように呼吸をするのか考えさせる。 3 前時の実験とどこか一つだけを変えると調べられることをヒントとして出す。 ○ 植物に覆いをして暗い状態にして,しばらく(1日)置き,気体検知管で酸素と二酸化炭素の体積の割合の変化を測定する。 ○ 一つの花だけなので,結果が出るためには時間がかかることを話す。
○ 気体検知管の使い方を確認しながら,実験をする。
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(成果と課題) ○ 植物は,日光に当たると二酸化炭素を吸収し,酸素を出すだけでなく,一日中呼吸(酸素を吸収し,二酸化炭素を出す)もしていることを概念としてもつことができた。 ● 単元導入部分の光合成により二酸化炭素を吸収し,酸素を出すことを予想する場面で,呼吸で酸素を吸収し,二酸化炭素を出すことを一緒に考えさせようとしたが,子どもたちは混乱して整理することができなかった。 そこで,光合成により二酸化炭素を吸収し,酸素を出すことを学習してから,呼吸のことも考える学習にした。しかし,実験結果の数値をもとに,昼間に日光を浴びているときは,呼吸による酸素や二酸化炭素の体積の割合の変化が小さいので,二酸化炭素を吸収して,酸素を出しているようにしか見えないことを詳しく説明すると,子どもたちは再び混乱した。 最後に,この実験結果は簡単に扱い,日光を浴びると酸化炭素を吸収して,酸素を出していることを強調することにした。 ● 二酸化炭素用は0.03〜1%用を使うと変化が分かるが,酸素用はなかなか目盛りも大きいせいか分かりにくい。酸素用は気体検知管の誤差により,まとめに結びつかない場合もあった。 ○ ここでは,植物は日光が当たると二酸化炭素を吸収し,酸素を出すことを大切に扱い,呼吸のことは簡単に扱った方が子どもは混乱しないことが分かった。実験で呼吸していることを確認する学習は,小学校の発達段階に合っていないのかもしれない。 | ||||||||||||
(薩摩川内市立隈之城小学校 教諭 深川 光久) | ||||||||||||