基本的な水溶液の作り方


使用する材料・器具等
・ メスシリンダー
・ 上皿てんびん,薬包紙
・ ビーカー,ガラス棒
・ 水溶液,薬品(塩酸,水酸化ナトリウム,アンモニア水)
 水溶液の濃度が高いと反応を速めることができるが,理科学習に使用する水溶液の濃度は,児童の安全を最優先に考え,1mol/L程度までとする。
 なお,うすい塩酸(塩化水素HClの水溶液)やうすいアンモニア水など,気体の溶けた水溶液は水の蒸発とともに溶けている気体も蒸発するので大きな事故にはなりにくいが,硫酸や水酸化ナトリウムなど不揮発性の液体や固体が溶けている場合は,うすい水溶液でも皮膚や洋服に付いた場合,次第に水が蒸発し濃度が濃くなるので危険である。
【塩酸の場合】
・ 濃塩酸の濃度は12mol/Lである。したがって,1mol/Lの濃度にするには12倍に希釈する必要がある。総量が12でその中に塩酸が1ということで,塩酸1:水11の割合で混ぜるとよい。
  (例)水110mLに塩酸10mLを入れる。
※注意 希釈するとき,酸やアルカリに水を加えると溶解による発熱で,加えた水が飛び散って危険なことが起こりうる。希釈するときは必ず,水に酸やアルカリを加えるようにする。
【水酸化ナトリウムの場合】
・ 水酸化ナトリウムの1モルは40gである。したがって,40gの水酸化ナトリウムを水に溶かし1Lにした時が1mol/Lである。
  1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100mLを作るときは,4gの水酸化ナトリウムを水に溶かし100mLにする。
※ 水酸化ナトリウムは水に溶かす際に発熱反応を起こす。そこで,少量の水で溶かし,水温を上げてから残りを溶かすようにすると簡単である。
【アンモニア水の場合】
・ 濃アンモニア水は14mol/Lである。したがって,1mol/Lのアンモニア水を作るときは,濃アンモニア水1:水13の割合で混ぜるとよい。
※ 溶質が液体であればモル濃度,固体の場合は分子量が分かると目的とする濃度の水溶液を作ることができる。