天体写真の撮り方


使用する教材・教具等
・ バルブ機能(シャッターを開いたままにできる)のあるカメラ
・ 広角で,明るいレンズ(広角レンズが望ましい)
・ 三脚,レリーズ(カメラのシャッターを切るための道具)
・ 感度の良いフイルム(ISOの値が大きいもの)
 基本的には,夜空に光る星に向けてシャッターを切ると,星が撮影される。ただ,一般的には光量が少なく,フィルムが感光されない。そこで,光量の問題を解決するために次のような方法がある。
@ 少ない光でも感光する,高感度のフイルムを使用する。
A シャッターをバルブにして,光を多く取り入れる。
B レンズの明るいもの(F値:1.4や3.5などと示されている。)を使う。
 実際は,@からBの方法を組み合わせて使うことになるが,シャッターを開放し続けると星が移動し,点として撮影できず,流線になってしまう。星の動きを撮影する場合はそれでもよいが,星座写真としては使いにくい。
撮影の実際
@ 三脚にカメラを固定し,レリーズを取り付ける。
A カメラにISO800,あるいはISO1600のフィルムを装填(そうてん)する。
(ISO400のフイルムでも,カメラの設定を800にし,現像に出すとき「800で撮ってあります」と伝えると,増感現像をしてもらえる。)
B写したい空にカメラを向け,絞りを開く。(F値を最小にする。)
Cシャッタースピードをバルブに設定し,シャッターを開く。
この際に,光量を考え,15秒間の開放,30秒間の開放,1分間の開放の3枚を撮る。
(ISO1600の場合は,だいたい15秒の開放でうまくいくことを考え,念のため,その2倍から4倍の時間開放した写真を撮影する)。
※ シャッターが開いているときに車などが通るとその光が入り,星が写らなくなるので,車などが通行しない場所を選ぶ。
※ 自動追尾(星の動きに合わせて望遠鏡が動く。)のできる天体望遠鏡に取り付けて撮影を行うと,開放時間が長くなっても点として星が写る。
※ バルブ付きのデジタルカメラで撮影を行った場合,画像処理ソフトで明るさやコントラストを調整すると,星がきれいに表示できるので便利である。その際にも,ISOの値を大きくして撮ると良い。