熱とは


熱とは
・ 物体のもつ内部エネルギー(原子の振動など)のことである。温度は,物体のもつエネルギーの大小を示す。
・ 高温の物体と低温の物体を接触させると,熱は高い方から低い方へと流れる。
1 熱量と温度の関係
 1グラムの水を1℃上げるのに必要なエネルギーが1カロリーである。したがって,水100gの温度を1℃上げるには100カロリーの熱量を要する。
 また,100℃の水20gと50℃の水100gではどちらの熱量が大きいかというと,
  100×20=2000カロリー
  50×100=5000カロリーとなり,50℃の水100gの方が熱量は大きい。(ただし,0℃を基準としたとき)
 したがって,かなり高温の物質でも質量が小さいと大きなエネルギーにはならない。
2 温度と運動エネルギー
 温度は,運動エネルギーの状態を示しており,温度が高いものは運動が激しくなっている。
 したがって,高温の気体と低温の気体を混ぜると,激しく運動しているものとそうでないものが混ざり合い,一様になる。
 したがって温度が一定になる。
なお,絶対温度が0K(ケルビン)(=−273℃)のとき,分子の運動が停止する。
 3 熱の移動

 熱は,高い方から低い方へ流れる。その際に,伝導,対流,放射が起きる。
 @ 伝導…接触している物質どうしにおける熱の伝達方法である。高温の原子の激しい振動が低温の物質の原子に伝わって起こる。
 A 対流…気体や液体の場合,移動が可能となるので,熱せられた部分の密度が小さくなり,相対的に軽くなり上に上がることで起きる。
 B 放射…絶対温度がゼロでない限り物体から電磁波が出ている。それが高温になると赤外線領域の放射になり熱を伝える。
※ 熱の移動が三つのタイプに分けられているが,これらは,熱をどのように移動させるのが効率的なのかということで起きているわけで,すべて,平衡状態にしよう,バランスをとろうという働きである。