力と仕事とは


力と仕事とは
・ 力とは,加速度を起こす作用で,大きさと方向をもつ。つまりベクトル量である。
・ 力が加えられない限り,慣性の法則にしたがって等速直線運動(あるいは静止)する。
・ 仕事とは,物体に加えられた力とその結果生まれた位置の変化の積である。
・ したがって,力を加えても物体が動かない限り仕事をしたことにはならない。
※ 大きさだけで方向をもたない量を「スカラー」と呼ぶ。(たとえば,質量などがスカラーである。)
1 慣性の法則
・ 物体は,力を加えられない限り等速直線運動もしくは静止する。力が加えられると加速度運動を起こす。これは,摩擦や抵抗のない世界での話である。
・ 摩擦や空気抵抗があると,速度の向きに対して反対向きの力が働き,運動が止まるようになる。
 したがって,私たちの日常の世界では,静止しないように反対の力を加え続ける必要がある。このことにより,力,慣性の法則の理解が難しくなる。
 宇宙空間では,理想的には,一度エンジンを働かし,動き始めるとそのまま等速度で動くことになる。
2 力の合力
・ 力は大きさと方向をもつ。同じ方向にxの力が二つ加えられると,2xの力が働くことになるが,正反対の方向に加えられると力が相殺され,力が加えられていないのと同じになる。
・ 向きの違う二つの力の合力は図で表して示すことができる。
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3 仕事とエネルギー
・ 物体に力を加え,位置を変えたとき力と距離の積が仕事である。また,仕事をする能力のことをエネルギーと呼ぶ。
・ 運動している物体はエネルギーを持っている。(他の物体に仕事をする能力を持っている。)このエネルギーを運動エネルギーと呼ぶ。
・ したがって,ある物体に力を加えて上に持ち上げると,そのエネルギーは位置エネルギーとして蓄えられる。落下するとき,それが運動エネルギーとしに変わる。位置エネルギーが減った分運動エネルギーになるので,位置エネルギーと運動エネルギーの和は保存される。
4 質量と重量
 質量とは,力を加えたときの動きにくさを表す量である。質量が大きいほど力を加えても動きにくい。地球上では,物体に働く力から,質量を求めることができる。(物体に働く重力は,質量に比例する。)
 また,重さ,あるいは重量とは,物体に働く地球の引力(重力)の尺度であり,高度など場所によって違ってくる。