生命とは 生命とは何か ・ 基本的には,生殖作用と代謝作用があることが,生命体かどうかの判断基準となる。 ・ 生殖とは,新たな生命体を創造することである。 ・ 代謝とは,生命活動に必要な化学反応のことである。 1 生殖について ・ 無性生殖と有性生殖に大別される。無性生殖とは,アメーバの細胞分裂のように交配を必要としない生殖であり,無限にコピーが作られる。 ・ 有性生殖は,オスとメスの二つの生殖細胞(配偶子)の合体を必要とし,そのために,遺伝的に多様な個体が作られる。このことは,環境が変化した場合にも,新しい個体のいずれかが生き残る可能性を高めている。 2 ヒトにおける生命誕生について ・ ヒトの誕生は,卵が受精することで始まる。そのときのメカニズムをまとめると次の様になる。 生後3か月の女児の体内で,700万個の一次卵母細胞ができている。 成長して身長140cm,体重40kgを越えたあたりから,約28日に1個の卵が卵巣から子宮に運ばれ,受精を待つようになる。 一人の女性が作る卵は約550個しかなく,かなり選択されていると考えられる。不思議である。 男性は,1回の射精で約3億個の精子を放出する。そして,精子は女性の膣の中を卵に向けて泳ぎ出す。ところが,膣内は酸性であり,精子にとっては厳しい環境のため,わずか数十の精子しか卵にたどり着けない。一番先に卵に入った1個の精子が受精し,卵割を繰り返しヒトとなる。 ・ 子宮内で羊水に守られて存在する胎児は,胎盤で母体と結ばれている。胎盤はフィルターであり,直接血液が混じり合うことはなく(血液不適合が起きることを避けるため),酸素や二酸化炭素,栄養などが交換されている。分子レベルの物質は透過するが,細胞は透過しない。 なお,胎盤ではアルコールや薬物類を止めることができない。したがって,母体の生活が胎児に影響を与えていることになる。 |