電磁石とは


電磁石とは
・電子が流れると磁界が発生することを利用して,電気を流すと磁力が生じ,電気を止めると磁力がなくなる磁石。
1 電磁石の仕組み
・ 導線に電流を流すと,導線の周りに磁界が発生する。
・ 同じ向きに導線を複数置くことができると,磁力を大きくすることができる。
・ そこで,ぐるぐる巻いて同じ方向に電流が流れるようにコイル状にする。
・ したがって,コイルの巻き数が増えると磁力が大きくなる。(1cmあたりの巻き数に比例する。)
・ 当然ではあるが,流す電流量を増やすと磁力を大きくすることができる。(電流に比例する。)
・ さらには,コイルの中に鉄心を入れると鉄心が磁化され,コイルを作る磁界に加算されるので,磁石の力を大きくすることができる。
2 電磁石の鉄心は
・ 電磁石の鉄心に使う物は,電気を流すと磁化され,電流が流れなくなると磁力が無くなるものがよい。そこで,軟鉄を使う。(残留磁気の少ないもの)
・ 鉄心の内部の磁界は一定方向に整列され,両端にS極とN極が現れる。基本的には,鉄心の断面積が大きい方が磁界の範囲が広いので,全体の磁力は強いことになる。
3 コイルの太さや巻き数は
・ コイルの作る磁界は単位長さ当たりの巻き数に比例し,電流に比例する。従って,密に巻くほど,電流を流すほど磁界は強くなる。
・ したがって,電気抵抗がなければ,コイルは密に,たくさん巻くに越したことはない。できるだけ1か所にまとめて巻く方がよい。
・ 現実的には,導線に電気抵抗があり,導線が太いほど電流は流れやすい。ところが導線が太く,短いとショート回路となり危険である(乾電池の爆発など)。
・ また,コイルを細くするとコイル自体の抵抗値が大きくなり,巻き数を増やし導線が長くなると磁力が期待したほど大きくならない。
・ 上記の問題を解決するためには,対比する二つのコイルを直列につないで調べると同じ電流が流れることになり,条件の制御ができる。