発芽とは 発芽とは ・ 休眠中の種子が,一定の環境条件が満たされたために生長が再開されること。 ・ 一般的には,十分な水分と酸素,適当な温度が条件となる。 1 休眠とは ・ 植物の種子には一定の寿命がある。その長さはいろいろであるが,ハスの仲間でかなり経ってから発芽している場合もある。また,ツタンカーメンの墓から出たムラサキエンドウの種子が発芽したことは有名である。なお,一定の期間を過ぎると発芽能力を失う。 ・ 休眠とは,発芽力が無いのではなく,発芽のための条件(環境条件と種子の成熟などの内的条件)が揃わないために待っている期間を指す。 ・ 休眠は,休眠をうながす植物ホルモンによって引き起こされる。 2 種子の仕組みは ・ 種子には,根になるところ,芽や葉になるところ,発芽のための栄養分などが詰まっており,それを種皮が包んでいる。 ・ 裸子植物,単子葉植物の栄養の貯蔵庫を,それぞれ大配偶体,胚乳と呼ぶ。 ・ 双子葉植物は,2枚の子葉が栄養の貯蔵庫となるもの(無胚乳種子)と,胚乳を持つ種子(有胚乳種子)に分かれる。 3 発芽の条件 ・ 発芽が起きるとき,種子は十分に吸水して,膨張する。その結果,種皮が破れて酸素を吸収し,酸化の過程で発芽に必要なエネルギーを得ることができるようになる。 ・ 発芽の条件としては,このほかに,一定の期間日光に当たらないといけないものや,低温を経ないといけないもの,種皮に含まれる発芽抑制物質を取り除かなければならないものなど,様々である。 4 発芽の順序 ・ 一般的な植物の場合,発芽の順序を簡単に述べると次のようになる。 @ 種子に水分が入り膨張し,種皮が破れる。 A 酸素を吸収し,栄養分がより吸収されやすいものに分解されるとともに,発芽のためのエネルギーが得られるようになる。 B まず最初に,幼根が飛び出し,根毛が出て,地面に張る。 C 芽が伸び,子葉が出る。 D 子葉に日光が当たると,光合成ができるようになる。 ※ 種子が固い時には,ナイフで切り込みを入れると発芽しやすくなる。 |