落葉とは


落葉とは
・ 木の葉が枯れ落ちる現象を落葉と呼ぶが,なぜ落葉するかについては定かでない。
1 落葉樹と常緑樹
 毎年,春に葉が出て,秋に枯れ落ちる樹木のことを落葉樹という。雨季と乾季をもつ熱帯地方では,乾季に落葉する樹木もある。落葉樹に対して,1年を通じて葉をつけたままの樹木を常緑樹というが,常緑樹の場合は,一年を通して落葉が繰り返される。
 落葉樹は,多くは広葉樹であるが,カラマツなどのように針葉樹で葉をおとすものもある。
2 落葉するときの葉の色の変化
 緑色の葉の中には,クロロフィル(緑色),キサントフィル(黄色),カロチン(赤色)などの色素が含まれている。
 落葉するときには,光合成で作られた糖が葉の中で分解し,赤色の色素であるアントシアンが合成される。クロロフィルが分解されることで緑色が無くなり,紅葉が起きる。
3 落葉の際の葉の変化
 落葉する原因についてはよくわかっていないが,光合成による物質生産と,呼吸によるマイナスの物質生産とのバランスによってきまると考えられている。
 落葉を調べてみると,葉の中の水に溶ける成分である「窒素」,「リン酸」,「カリウム」などは少なくなっており,その代わりに水に溶けにくい「カルシウム」,「ケイ素」などが多く残されている。
4 落葉の意味
 はっきりとは分からないが,落葉によって植物にとって不要なもの(あるいはいらなくなったもの)を体外に出しているとも考えることができる。
<おまけ>
 ススキの葉には二酸化ケイ素が多く含まれている。したがって,葉の先が固く鋭くなっており,手で引くと手が切れるということがよく起きる。また,ススキの葉を灰にして,ガラスを取り出すことができる。