第3学年 単元名 こん虫の体をしらべよう
【児童の実態】
・ 児童にとって,小さな生き物はすべて虫であり,「こん虫」という言葉が出てきたときすべての虫が「こん虫」になってしまう。
・ 生きている虫の観察の場合,動き回るために正確にじっくりと観察することができず,仲間分けが難しい。
・ こん虫を分析的に観察したことはなく,体のつくりを調べる観点をもっていないために,単に調べなさいでは調べることができない。
・ チョウは体が頭,胸,腹に分かれていることは理解できるが,カブトムシ,テントウムシなどは二つに分かれているととらえられたり,腹にも足がついているように見えるため,昆虫の一般性をとらえられない。




【ねらい・対策・指導の留意点】
昆虫とそうでない虫との違いを明確にするために
・ 昆虫とそうでない虫との違いを明確にしやすいのは足の数である。ダンゴムシの足の数を数えさせることも有効である。なお,いろいろな虫を提示し,これは昆虫であり,他は昆虫でないと教えてから,どこが違うのか調べさせる方法も有効である。
虫の体のつくり等をじっくりと観察させるために
・ 生きている虫は動いてしまう。そこで,フロッピーケースなどの小さな透明容器に閉じこめて観察する方法がある。また,昆虫標本などを作り,観察させると昆虫標本を作ることの意味も理解させることができ有効である。なお,昆虫標本が作れない場合には,飼育の結果死んだ物をそのまま利用してもよく分かる。
体のつくりを調べさせるために
・ 体のつくりを調べる際には,モンシロチョウで調べたことを振り返り,次の観点で調べるとよいことを確認する。
[体の分かれ方,触角の数,足の数,足の出ている場所,羽根の数,目の数,形,口の形など]
体の分かれ方を正しくとらえさせるために
・ 昆虫は,頭,胸,腹の三つに分かれている。そして,胸も上胸,中胸,下胸の三つに分かれている。昆虫の体を上から見ると,テントウムシのように二つに分かれているように見える場合がある。したがって,昆虫の体を調べる場合には,おなか側の方から観察するのが望ましい。しかし,この場合には,胸も三つに分かれているためにたくさんに分かれているととらえやすい。そこで,児童が分からなくなった場合,胸が三つに分かれることを付け加えるとともに,足のついている所が胸であることを教えると理解しやすい。