第3学年 単元名 光を当てよう
【児童の実態】
・ 光を鏡で反射させることができると理解している児童は少なく,しかも,鏡の向きによって反射した光の方向を変えることができると考えている児童は少ない。
・ たくさんの鏡を使うことで,光を集めることができると考えている児童は少ない。
・ 光が集まると明るくなると考える児童は多いが,温かくなると考える児童は少ない。
・ 光集めの実験中に風が吹くと温度が下がり実験がうまくいかない。
・ 虫眼鏡を使うと光を集めることができると考える児童はほとんどいない。




【ねらい・対策・指導の留意点】
鏡を使って光を反射させる活動に目を向けさせるために
・ 怪獣の形にした的を用意し,その怪獣を鏡を使って光を当ててやっつけるという状況設定を行い,学習を導入する。その際に,校内のいろいろな場所に怪獣を置くことで,鏡による反射のさせ方を理解させることができる。
鏡の向きと反射した光の方向の関係に気付かせるために
・ ロープを使い,怪獣を斜め上から下に滑らせる活動を取り入れ,その怪獣に光を当て続ける活動をさせる。このことで,太陽の位置と鏡の向き,反射光の向きの関係を知ることができる。
光を集めると温かくなることに気付かせるために
・ たくさんの鏡の光が集まっているときに,何が起きているか問い掛け,明るさが増していることに気付かせる。また,的が温かくなっているのではないかと考えさせ,調べさせる。その際に,光が集まると明るくなることに気付かせるには,的の色を淡くする。また,温かくなっていることに気付かせるには的を黒く塗る。(いろいろな色の的を用意する必要がある。)
光集めの活動で,風の影響を少なくするために
・ 空き缶を黒く塗り,その中に粘土で固定した温度計を挿して温度の変化を調べる。こうすることで,温度計の周りの空気が入れ替わらないため風の影響を少なくすることができる。この場合,温度変化が分かるように鏡の枚数を多くして行う。(5枚程度)
虫眼鏡を使って,効率よく光を集めるために
・ 焦点が定まらないとなかなか紙が燃えないので,紙ばさみを用意し,太陽の方向に直角になるように紙を置く。虫眼鏡も太陽に直角に起き,きれいな円状に光が集まるようにする。
虫眼鏡が光を集めていることを実感できるようにするために
・ 虫眼鏡のレンズ部分に紙を置き,レンズの面積が小さくなると光を集める量が減ることを実感させる。なお,暗室にて平行光線(光源装置の光)をレンズに当てたときの光の進み方を線香の煙などを使い調べさせるとなお良い。