第4学年 単元名 水のすがたとゆくえ
【児童の実態】
・ 水蒸気,湯気などの言葉を知ってはいるが,その違いについては理解していない。
・ 沸騰と蒸発の違いについて理解することができない。
・ 目に見えないところに水蒸気があるという見方ができにくい。
・ 沸騰しているときに出ている泡は空気であるという見方が根強く空気と一緒に水が出るために水が減っていくと考える。




【ねらい・対策・指導の留意点】
温度と水の変化についての学習意欲を形成するために
・ 単に水を沸騰させるだけではなく,その結果発生する水蒸気を使って動く物(タービンを回すなど)を提示し,起きている事象に着目させる。
水蒸気や湯気などの違いをとらえさせるために
・ 児童は,水蒸気や湯気,熱い空気などの言葉を使うがその概念は正しくなく,同じ意味で使っていることが多く,話合いが混乱する。そこで,沸騰の状況等をとらえ,いくらか学習が進んだときに,「水蒸気」という言葉について調べさせる。そうすることで,事実と関係付けながら,同じ概念を形成することができる。事象に出会う前に調べ学習を行ってもいけないし,調べ学習なしでは共通理解ができにくい。
泡が空気であることを確かめるために
・ 沸騰しているときに出ている泡を逆さにしたロートを水に入れて集め,最初は空気が膨らむが冷えると水に戻ることを実験で確かめる。
・ 目に見えないところにも水があることを確かめさせるために,目に見えないところに冷えたガラス管などを置いて,水滴が付くことを調べさせる。
正しい水蒸気概念を形成するために
・ 先に述べたように,調べた事実と言葉をつないでいくことが望まれるが,児童にとっては,「空気のようになった水」「空気に化けた水」といったとらえ方ができるとよいと考える。
沸騰と蒸発の違いを理解させるために
・ 自然に置いているコップの水が少なくなることに目を向けさせ,沸騰しなくても水が水蒸気になることを調べさせる。
空気中に水があることを理解させるために
・ 空気中に氷水を入れたコップを置き,水滴が付くことを調べさせる。その際に,上皿てんびんにコップを置き,分銅で釣り合わせておくと,水滴が付き重くなることを観察することができる。また,水滴を拭き取ると元の釣り合いに戻る。
・ 除湿器を使うと,水が水蒸気として空気中に存在することを簡単に確認することができる。