第5学年 単元名 もののとけかた
【児童の実態】
・ シュリーレン現象を見せると,「もやもやは何だろう」など解決しにくい問題をつくりやすい。
・ ものは水に溶けても水の中にあると考える児童が多い。しかし,いくらかはなくなるという考えもある。
・ ものを水に溶かしたときの重さは保存されるという考えはなかなかできない。
・ 質量保存の実験では,かき混ぜる途中で水が飛び出したりして実験ができない。
・ 虫眼鏡や顕微鏡,ろ過で水に溶けた食塩の存在を調べることができると考える児童がいる。




【ねらい・対策・指導の留意点】
問題作りのために
・ 食塩だけでなく,ホウ酸やミョウバンなどのシュリーレン現象を同時に見せる。もやもやの違いに目を向けさせることで,溶解度の違いに目が向き,望ましい問題設定が可能になる。
質量保存を調べるために
・ ふた付きの入れ物に溶かすものを入れてからふたをしてから,入れ物を振って溶かすと,溶かす前と後の重さを正しく比較することができる。
・ あるいは,溶かすために使う道具もすべて一緒に重さを測るとよい。
正しく溶解度を調べるために
・ 大きな粒があると温度が上がっても,溶かすものが溶け残りやすいので,実験前に乳鉢で粒を小さくする。
・ 温度との関係を調べる場合には,あまりにも速く温度変化が起きないように水の量を加減する。
どの児童の実験も価値あるものとして認めるために
・ すべての事実を認め,「溶けても水の中にある」とまとめた後,「水の中にあるのになぜ顕微鏡で見えなかったのか。なぜ,ろ過しても出てこないのか。」と問い掛け,ものすごく小さくなっているということに気付かせる。こうすることで,すべての児童の学びを価値付けることができる。
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