第6学年 単元名 植物の体のはたらき
【児童の実態】
・ 日光を当てた葉のでんぷんを調べるだけでは,植物が葉ででんぷんを作ることの意味が分からない。
・ 葉でできたでんぷんを茎や根などに見付けることができず,でんぷんを作ることと植物の成長が結びつかない。
・ 日光が当たると葉にでんぷんができるのは,日光の中のでんぷんが吸収されると考える児童が多い。
・ 茎の所ででんぷん反応を調べることがあり,「葉で日光を受けるとでんぷんを作る」という考えが混乱してしまう。
・ 日かげにいる植物は日光がなく光合成ができないと考える。




【ねらい・対策・指導の留意点】
葉ででんぷんを作ることの意味を理解させるために
・ 日光がよく当たっている鉢植えの植物とそうでない鉢植えの植物の二つを用意し,なぜ成長が違うのかについて話合いを行い,植物の成長と日光の関係を考えさせる。
でんぷんを作ることと成長との関係を明確にするために
・ でんぷんは糖に分解して植物全体に回る。そこで,いろいろな場所で,糖の存在を尿糖試験紙を用いて調べさせる。なお,糖の存在を調べることととでんぷんをつなぐためには,動物の消化の学習(でんぷんを糖に変えること)を想起させる。
日光の中にでんぷんは存在しないことを調べるために
・ ヨウ素溶液をペトリ皿に入れ,それに日光を当てて色の変化が現れるか調べる。なお,ろ紙にヨウ素液を染み込ませ,それを日光に当てるという方法も加えると葉でのでんぷん反応と比較してとらえることができる。
茎のところででんぷん反応が出てきたときには
・ 茎の緑色の部分には葉緑体があり,光合成を行っている。そのことを伝え,植物の巧みさを考えさせる。
日かげの植物も光合成をしていることをとらえさせるために
・ シダ植物などのでんぷん反応を調べさせる。その際に,曇りの日が続いているときに日なたの植物と対比させながら行うと,日かげの植物が弱い光でも効率よく光合成を行っていることをとらえることができる。
植物の巧みさ,すばらしさを理解させるために
・ 植物が葉で光合成を行い,栄養を作り生きていることをとらえた後,植物の葉の付き方について調べさせる。そうすることで,葉が重ならないようにうまく付いていることや大きな木では外側にのみ葉が茂っていることなどをとらえ,植物が巧みに生きていることをとらえることができる。