小学校理科 観察,実験実施上の課題に対するQ&A Q1 チョウの育ち方 モンシロチョウの卵を採集することが難しくて困っています。どうしたらいいですか。カリキュラムの時期が合っていないような気がします。 A モンシロチョウの発生の時期をしっかり把握しておくことが必要です。 モンシロチョウには,春型と秋型があります,出現時期は2月〜10月ですが,蛹(さなぎ)で越冬し,1年に6〜7世代発生します。ある野外調査の研究データでは,4月の発生の場合の死亡率は,91.6%であり,7月の場合は,ほとんどが死亡するということです。その理由は,クモやアシナガバチの捕食活動が盛んになり捕食されるようです。 なお,10月の場合は,蛹まで成長するのは63.5%ということです。ちなみに,7月に捕食者から卵を守ると約50%が成虫になるということです。 また,モンシロチョウの成虫は温度が上がり過ぎると活動が不活発になります。そのために発見しにくくなっているということもあります。 さらには,個体群密度が高くなり過ぎると集団移動をする性質があり,そのために夏季には山の上に移動しているという説もあります。 Q2 チョウの育ち方 モンシロチョウが見付からないときがあります。見付けやすく,飼育や観察が簡単な,別なチョウはいませんか。 A モンシロチョウは,簡単に見付けることが可能であり,さらには飼育が簡単であるために教材に使われています。 他に簡単に探すことができ,飼育がたやすいチョウとなると,ツマグロヒョウモンがよいでしょう。ツマグロヒョウモンは,春に学校のパンジーに卵を産み付けます。パンジーを栽培していると必ずやってくると思います。 卵は,思ったほどたくさんは産みません。しかも,とても小さく,薄い緑色から黄色であり,パンジーの葉の裏の色に似ていて探しにくいです。ツマグロヒョウモンが産卵に来たときに,どこに産み付けたか見届けておいて卵を探すことが最も良い方法です。 |