Q51 物の燃え方と空気
 気体検知管で酸素や二酸化炭素の量を測定しているのですが,児童の実験結果がおかしいときがよくあります。どうしてですか。

 気体検知管での測定で間違いが起きるのは,50mLの空気を吸い込む必要があるのに検知器を50mLのところまで引いたので,50mL吸い込んだと勘違いすることです。勢いよく引いたときなど,ピストンは50の目盛りまできてもまだ50mLの空気が引き込まれていない場合があるのです。したがって,検知管に書いてあるように,2分で測定するものは2分間かけてゆっくりと引かなければなりません。とにかく,ピストンが元に戻らなくなったことを確認してから目盛りを読みましょう。


 Q52 物の燃え方と空気

 火が消えたときには空気がなくなったと考える児童が多く,そのことを調べるために,空気がなくなったときに水が入り込めるようにして実験を行うと水が上がってきます。しかも,容器の約20%分だけ入ってくるために,「ちょうど酸素の分だけなくなった」と考え,納得してしまいます。どうしてなのでしょうか。

 ペトリ皿に水を入れ,そこにローソクを立て火を付けてから逆さにした集気瓶をかぶせます。すると,火が消えるとともに約20%の水が上がってきます。これは,ろうそくの火が燃えているときには周りの空気が温められ,膨張していることや,ろうそくが燃えるときにたくさんの水蒸気が出るので,それが冷えて水に戻ることで体積が減るからです。したがって,閉ざされた空間でろうそくの火が消える事象を見せて導入を行うことは望ましくありません。
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 Q53 物の燃え方と空気

 火が燃え続けるには空気が必要であることを調べさせるために容器の上の方に穴を開けるのですがやっぱり火が消えてしまいます。どうしてなのでしょうか。

 確かに火が燃え続けるには空気の入れ替わりが必要です。そのために穴を開けると良いと考えますが空気の入れ替わりが起きない場合には意味がありません。したがって,空気の取り入れ口を下にしないと,下に溜まっていく二酸化炭素のために酸素が供給されず火が消えてしまいます。
 上に穴を開けても火が消える実験は,Q52の問題を解決し,火が燃え続けるための条件を考えさせるうえでとても有効です。是非とも導入に使いたい実験です。
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 Q54 物の燃え方と空気

 空気が入れ替わっていることを調べさせるために空気の流れを調べさせたいと思うのですがなかなか空気の流れを見ることができません。どうしたらよいですか。

 線香の煙を使って見る方法が最も良いと思いますが,開放されたところで行うと,燃え続けるための空気があらゆる場所から集まってくることになります。動きをしっかり観察させるには,Q53のペットボトルに穴を開け,火が燃え続けるようにしたときに調べるとよく分かります。拡散しないようにするということがポイントです。


 Q55 物の燃え方と空気

 酸素の発生装置を作り,酸素を集めようとするのですがなかなか集まりません。どうしてですか。

 まず考えられるのは,装置の途中に空気漏れを起こすところがあるということです。特に,フラスコに付けたゴム栓の所から空気が漏れるということが起きます。漏れているかを調べるには,石けん水を付けてみるとシャボンの膜が膨らむので分かります。
 次に考えられるのは,反応量の問題です。濃い濃度の液でも,その量が少ないと発生する量は少なくなります。化学反応の場合,濃度にのみ気をとられて量を考えないという問題はよく起きます。安全のために薄い過酸化酸素水を使い,量は確保してください。


 Q56 物の燃え方と空気

 二酸化炭素の検出用に石灰水を使うのですがうまく反応しません。どのようにして石灰水を作ったらよいのですか。

 実験前に石灰水を作り,上澄み液がとれないので少し白濁したものを使うとはっきり分かりません。反対に,しっかり石灰が溶けていない水を使うとうまくいきません。
 前日までに石灰を入れ,よく攪拌し,静かに放置しておいたものの上澄み液を使うようにしましょう。なお,石灰水を作る容器はふたができる物にしましょう。
 なお,石灰水に二酸化炭素を吹き込むと,始めは炭酸カルシウムができ白濁しますが,その液に,更に二酸化炭素を吹き込むと炭酸水素カルシウムになります。炭酸水素カルシウムは水に溶けますから無色透明になります。したがって,ふたをしっかりしていないと炭酸水素カルシウムができ,それ以上反応しないということになります。