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 単元のねらい

 ・ 光の進み方や暖かさや明るさの変化にかかわる光の性質についての見方や考え方をもつようにする。
 ・ ものが光に当たったときの様子を比較して追究する能力や態度を育成する。
 ねらいを達成させるための活動

 ・ 平面鏡で光を反射させる。
 ・ 虫眼鏡で日光を集める。
 ・ 反射した日光を重ねたり,物に当てたりして明るさや暖かさなどを比較する。
 学習問題づくりのポイント

 ・ 光を当てる,集める活動をしようとする意欲を高める。
 ・ 光を当てる,集める活動を行い,明るさなどの違いに気付かせる。
 具体的な活動

<事前に>
 @ 怪獣の面などを作る。その際に,面の材質,色などを変えておく。
 <例>
 ・ 白い紙,薄い青い紙,黒い紙,アルミホイル,透明なシートなど
 A 怪獣などを学校内のいろいろな場所に設置する。
 <例>
 ・ 太陽の光を直接受ける所
 ・ 鏡で1回反射させないと光が届かない所
 ・ 鏡2枚のリレーをしないと光が届かない所など
 ※ 怪獣の面を付けた先生が,子どもの前を移動してもよい。
 (目に光を受けないようにするために,面を後ろに付け,壁に向いて横向きに移動する。)
 <授業では>
 ・ 「今日は怪獣を光線でやっつけよう」という問い掛けを行い,鏡を1枚ずつ持たせて活動を行う。
 ・ 活動の結果,気が付いたこと,考えたことなどについての発表会を行い,それらを基に問題の設定を行う。
 予想される問題

 ・ 光はどこまで届くか。
 ・ 光はどこまでもまっすぐ進むのか。
 ・ 光を集めると暖かくなるか。
 ・ 光を集めると明るくなるか。  など
光を重ねると明るくなることが分かる実験
 ○ 台紙に鏡を使って光を重ねる。
 ・ 鏡の重ね方を下図のようにするとよい。
 ・ 台紙の色は薄い青や緑,ピンクなどを使うと光の重なりがよく分かる。
 ※ 台紙が白や黄色では反射率が高く,黒や茶,赤など濃い色では反射率が低く,重なりが分かりにくい。
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光を重ねると温かくなることが分かる実験
 ○ 空き缶をペンキで黒色に塗り,粘土で飲み口にふたをし,そこに温度計を差し入れる。
 ※ 直接温度計の球部に光を当てる実験は,風が吹くとすぐに温度が下がってしまう。
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光の直進や反射についてとらえることができる実験
 ○ いろいろな場所に的(怪獣の面など)を置き,光線銃(鏡の反射光)で倒す活動を仕組む。
 <設置場所>
 @ 太陽の方向ではあるが,日陰になっている場所(最も簡単な場所)
 A 太陽の光が当たっている場所
 B 太陽の光が当たってはいないが,建物などがあり,二人の鏡をリレーしないと当てることができない場所
 C @の場所にある建物の壁を使い,ひもを張り,怪獣を下げ,ゆっくりと滑らせる。(太陽の位置と当てる位置と鏡の向きの関係が理解できる。)
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 <Cの場合>
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 ※ 動いている的に光を当てることにより,太陽と的と鏡の向きの関係を理解することができる。
 参考資料

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 実験1:紙の色と,焦げるまでの時間
 <方法>
 ・ 焦点を合わせて虫メガネを設置する。
 ・ 時間については,3年生の子どもが違いをとらえられるかを判断するために,秒単位で測定する。
 ・ 18色の折り紙を使い,色の違いによる焦げ方の違いを調べる。
 <実験結果> 斜線は,30秒経っても焦げなかったもの
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 <考察>
 ・ 虫メガネを使う場合は,直径5cm程度のレンズを使うことが望ましい。
 ・ 色は濃い色ほどはっきり分かる。
 実験2:紙を使って,虫メガネのレンズの面積を変えるとどう変わるか。(直径7.15cmの虫メガネ使用)
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 ※ 枯れススキも2秒で焦げる
 <考察>
 ・ 虫メガネのレンズの大きさによる,温まり方の違いを調べようとする場合,当てる色紙の色を薄くしないと差がはっきりしないことが分かる。
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 実験1:直接,鏡で温度計の球部を暖める。        昭和63年10月17日実験
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 <考察>
 ・ 鏡の枚数による違いがはっきりしない。
 ・ 風が吹くと温度が下がり,はっきり分からない。
 実験2: 風の影響を受けないようにするため,黒く塗った空き缶(250mLジュース缶)を使い,飲み口を粘土でふさぎ,温度計を中に入れて行う。
 また,缶の中に水や砂を入れて,運動場の真ん中で実験を行う。
 <空気の場合>
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 <水の場合>
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 <砂の場合>
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 <考察>
 ・ 空き缶に入れて実験を行うことで,鏡の枚数との関係がはっきり分かる。
 実験3: 空き缶を日向に置くことによる問題はないかと考えて,日なたと日陰に空き缶を置いて比較する。
     昭和63年10月19日 実験
 ・ 鏡の枚数は3枚とする。
 ・ 缶の中には空気を入れる。
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 実験4:空き缶を日陰に置き,鏡の枚数を変えて調べる。
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 <考察>
 ・ 日陰は,鏡の枚数による違いを明確にとらえることができる。