観察,実験の結果を分析,解釈するために基本となるのは,比較したり関係付けたりする能力である。 比較するとは,例えば,結論を導き出すために必要な観点を設定した上で,2以上の事象について,どこが違うのか,どこが似ているのか,どこが同じなのかを判断することである。 関係付けるとは,例えば,2以上の事象について比較した上で,それらに相関があるのかないのか,相関が強いのか弱いのか,正の相関か負の相関かを判断したり,相関関係の原因を考えたりすることである。 小学校段階から身に付けてきた比較したり関係付けたりする能力をさらに高めるには,次のような学習活動を充実することが大切である。 ○ 問題を見いだし観察,実験を計画する学習活動 ○ 観察,実験の結果を分析し解釈する学習活動 ○ 科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動 その中で,次のような問題解決の方法,手続きを身に付けさせる。 A 探究の技法 観察する,測定する,分類する,数量化する,記録する,条件制御する,実験法を考える など B 表現力 表やグラフの作成,コンピュータの活用,実験レポートの作成や発表 など C 思考 ・ 事象の比較・検討を通して,事象に固有な性質や類似点,規則性を見いだす ・ 事象の変化と原因を関係付ける ・ 事象と周囲の事象との相互関連をみる ・ 植物や動物の体のつくりをその働きと関連させて考察する ・ 性質に着目して物質を分類する ・ 生物を共通性と多様性の観点からみる ・ 事象を時間的推移や空間的な広がりの中でとらえる など D 態度等 ・ 既有の知識と獲得した知識を組み合わせてものごとを総合的に見たり考えたりする習慣 ・ 問題を発見し,それに応じて情報を集め,処理する方法 ・ 得られた資料や学習の仕方を問題の解決に有効に活用できる能力 |